利用報告書
課題番号 :S-18-NU-0039
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :ポリプロピレンのmmmm分率の定量
Program Title (English) :Analysis of Polypropylene by NMR
利用者名(日本語) :小野美奈
Username (English) :Mina Ono
所属名(日本語) :スターライト工業㈱
Affiliation (English) :STARLITE Co., Ltd.
1.概要(Summary )
ポリプロピレンにおいて、立体規則性や連鎖情報を解析することは、その材料特性を把握するため、また品質を管理する上で非常に重要である。中でも、ポリプロピレンのmmmm分率は、剛性に大きく寄与することから、その含有量を把握することが求められている。そこで立体規則性による逐次抽出を実施した分割物に対し、NMR測定を実施し、mmmm分率の算出を行った。
2.実験(Experimental)
図1に、逐次抽出フローを記載した。
本年度は、採取した逐次抽出物のうち分画物①~④の1Hと13C-NMR測定を実施した。
【使用装置】
NMR(500Hz)装置/Burker社製 AVANCE IIIHD
図1 逐次抽出フロー
【測定条件】
〔分画物①~②〕 溶媒:クロロホルム-d1 温度:40℃
[分画物③]溶媒:クロロホルム-d1 温度:50℃
[分画物④]溶媒:オルトジクロロベンゼン-d4
温度:105℃
3.結果と考察(Results and Discussion)
分画物①~④の19ppm~23ppmにおけるシグナルの積分比より、mmmm・mmmr・rmmr・mmrr・mmrm+rrmr・mrmr・rrrr・rrrm・mrrmの定量を実施し、mmmm分率の算出を行った。この他に、プロピレン-エチレンの共重合組成比の算出や含有エラストマー成分の定性も行った。
またこれらの結果を元に、立体規則性の差異や含有エラストマーの差異が材料物性に与える影響を把握し、今後の材料開発と品質管理に活かす予定である。
4.その他・特記事項(Others)
参考文献:高分子分析ハンドブック 2.3 ポリプロピレン系
支援者:分析および技術支援を頂いた名古屋大学ナノテクノロジープラットフォーム坂口特認教授、近藤氏、及び鳥居氏に感謝致します。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし