利用報告書
課題番号 :S-18-KU-0026
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ポリマー薄膜表面における分子鎖凝集状態の解析
Program Title (English) :Characterization of the aggregation states at the surface of polymer thin films
利用者名(日本語) :里川雄一
Username (English) :Y. Satokawa
所属名(日本語) :DIC株式会社
Affiliation (English) :DIC Corporation
1.概要(Summary )
ポリマー薄膜の表面特性を制御する手法の一つとして,ある種の添加剤を表面に偏析させる手法がある.こうしたポリマー表面の分子鎖凝集状態と表面特性との関係については,ポリマー表面の分析の難易度の高さゆえに,未だ盛んに議論されている.
和周波発生(Sum Frequency Generation, SFG)分光法は,二次の非線形光学効果を利用した振動分光法である.反転対称性の破れを満たす界面において,配向している分子や官能基の振動スペクトルを得ることができる.SFG分光法を用いることで,ポリマー表面の分子鎖凝集状態を評価できる.1
本検討では,表面改質剤の添加によるポリマー表面の分子鎖凝集状態の変化について,SFG分光法を用いて検討することを目的とした.
2.実験(Experimental)
基板として,半円筒型の石英プリズムを用いた.マトリクス樹脂単独及び表面改質剤を添加した2種類のの塗膜を,上記のプリズム上にスピンコート法により設けた.別途,エリプソメータにより評価した塗膜の膜厚は,600 nm程度であった.
SFG測定には,表面・界面分子振動解析装置を用いた.可視光及びIR光を基板側から入射させ,塗膜の空気界面からのシグナルを得た.用いた偏光の組合せは,出射SF光,入射可視光,入射IR光の順にsspとした.測定温度は25℃であった.
3.結果と考察(Results and Discussion)
Figure 1は,空気/ポリマー界面におけるSFGスペクトルを示す.マトリクス樹脂のみの場合(w/o additives),2875及び2940 cm-1付近にピークが観測された.一方,表面改質剤を添加した場合(w/ additives),マトリクス樹脂のみの場合とは異なる波数にピークが観測された.この事実は,表面改質剤がマトリクス樹脂表面に偏析し,表面を被覆していることを示唆する.
今後,表面特性に影響を及ぼす官能基及びその配向性について議論を進め,新規な表面改質剤の分子設計に繋げていきたい.
Figure 1. SFG spectra with the ssp polarization combination for air/polymer interface with or without additives.
4.その他・特記事項(Others)
1) Chen, Z.; Shen, Y. R.; Somorjai, G. A. Annu. Rev. Phys. Chem. 2002, 53, 437–465.
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







