利用報告書

ヨウ素添加イオン液体の低温核磁気共鳴測定
青野祐美1), 阿部洋1), 清谷多美子2)
1) 防衛大学校機能材料工学科, 2) 昭和薬科大学薬学部

課題番号 :S-15-MS-1077
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ヨウ素添加イオン液体の低温核磁気共鳴測定
Program Title (English) :Low-temperature nuclear magnetic resonance of iodine adding ionic liquids
利用者名(日本語) :青野祐美1), 阿部洋1), 清谷多美子2)
Username (English) :M. Aono1), H. Abe1), T. Kiyotani2)
所属名(日本語) :1) 防衛大学校機能材料工学科, 2) 昭和薬科大学薬学部
Affiliation (English) :1) National Defense Academy, 2) Showa Pharmaceutical University

1.概要(Summary)
 イオン液体の太陽電池応用に向け、ヨウ素を添加したイオン液体を作製し、その特性を明らかにすることを目的に、分子研において核磁気共鳴(NMR)測定を行った。
 本実験では、モノヨウ素アニオン(I-)とイミダゾリウムカチオンからなるイオン液体に、固体ヨウ素を添加した試料を用いた。また、カチオンはアルキル側鎖の長さが異なる3種類を用意した。その結果、純粋なイオン液体において、NMRの127Iスペクトルを得ることに成功し、カチオンの側鎖の長さがI-の状態に影響を及ぼしていることを明らかにした。また、このNMRスペクトルは、温度の依存性も見られた。固体ヨウ素を添加したイオン液体においては、NMRスペクトルに2つのピークがあることがわかった。
2.実験(Experimental)
 分子科学研究所所有のESA600(JEOL)を使用し、ヨウ素をアニオンとするイオン液体と、それに固体ヨウ素を添加した試料のNMR測定を50℃〜0℃の範囲で行った。ベースとなるイオン液体のカチオンは、イミダゾリウム環を有するアルキル側鎖の長さがそれぞれ3,4,6([C3mim]+, [C4mim] +, [C6mim] +)のものを使用した。溶媒には主に重水素置換されたアセトンを使用した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
 図1に、アルキル鎖長の異なるイオン液体の127IのNMRスペクトルを示す。[C4mim][I1]は他の2つに比べ半値幅が広いことから、ヨウ素イオンに複数の状態ある可能性が考えられる。電気伝導などでも[C4mim]+は、特異な挙動を示すが、本実験から、その原因がヨウ素にあるものと考えられる。図2は、[C4mim][I1]の温度依存性の結果である。 これらのイオン液体にヨウ素を添加し、I3-アニオンとした試料においては、信号強度は極めて小さくなり、10時間程度の積算が必要であったが、2つの明瞭なピークからなるスペクトルを得ることができた。これらの帰属は今後の課題である。

図1. アニオンの異なるイオン液体のNMRスペクトル

図2. [C4mim][I1]のNMRスペクトルの温度依存性
4.その他・特記事項(Others)
実験のご支援賜りました、分子科学研究所機器センターの牧田誠二氏、長尾春代氏、株式会社JEOL RESONANCEの杉原隆広氏、田中克幸氏、奥村秀一氏に感謝申し上げます。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし

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