利用報告書

リン脂質誘導体の安定性評価、およびその分解物の構造解析
小林 克利

課題番号                :S-20-NM-0008

利用形態               :機器利用

利用課題名(日本語)    : リン脂質誘導体の安定性評価、およびその分解物の構造解析

Program Title (English) :Stability evaluation of phospholipid derivatives and structural analysis of their degradation products

利用者名(日本語)      :小林 克利

Username (English)     :K. Kobayashi

所属名(日本語)        :SANSHO株式会社

Affiliation (English)  :SANSHO, Co., Ltd.

 

 

1.概要(Summary)

溶液状態では、室温にて不安定なリン脂質誘導体について、添加剤を含む凍結乾燥製剤を試作し、その安定性を検討した。また、リン脂質誘導体の分解物について1H NMR、IRおよびLC-MSでの構造解析を行うことにより、その分解メカニズムについて研究を行った。

 

2.実験(Experimental)

【利用した主な装置】

【実験方法】

凍結乾燥機(FDU-2110)を使用して、リン脂質誘導体を含む凍結乾燥製剤を試作し、その安定性について検討を実施した。その安定性の評価のため、LC-MS/MS(LXQ)による分解物の分子量測定、およびIRの測定を行った。

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

LC-MS/MS測定結果をFig.1に示す。

Fig.1 LC-MS/MS測定結果

 

Fig.1 に示した通り、分子量402.13Daにピークを確認したが、想定される分解物の構造とは異なり、最終的に構造を決定することができなかった。そのため、更に1H NMRおよびIRでの構造決定を検討した。その分解物の1H NMRおよびIR測定結果をFig.2およびFig.3に示す。

Fig. 2 分解物の1H NMRスペクトル

Fig. 3 分解物のIRスペクトル

本研究では、分解物の構造特定および明確な分解メカニズムの解明には至らなかったが、分解物の性質を明らかにすることができた。

 

4.その他・特記事項(Others)

LC-MS/MS装置およびIRでの測定にあたり、NIMS分子・物質合成PF服部晋也氏の技術指導を受け、測定を実施した。

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし。

6.関連特許(Patent)

なし。

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