利用報告書

ワイヤーグリッド型偏光板の作製
吉田 浩, 竹藤 知博, 山口 敦
株式会社 東海理化

課題番号 :S-16-OS-0041
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ワイヤーグリッド型偏光板の作製
Program Title (English) :Development of wire grid polarizer
利用者名(日本語) :吉田 浩, 竹藤 知博, 山口 敦
Username (English) :H. Yoshida, T. Takefuji, A. Yamaguchi
所属名(日本語) :株式会社 東海理化
Affiliation (English) :Tokai Rika, Co., Ltd.

1.概要(Summary)
偏光板の特性を利用した、自動車用内装部品の開発を検討している。
従来のヨウ素型偏光板では耐久性に乏しいため、理論上耐久性に優れているワイヤグリッド型での検討が必要である。プロトタイプ作製のため、電子線リソグラフィ技術での周期構造の作製が可能か確認した。

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
超高精細電子ビームリソグラフィ装置
深掘りエッチング装置
接触式膜厚測定器
【実験方法】
Crを成膜した石英ガラスにレジストをスピンコートで塗布した。超高精細電子ビームリソグラフィ装置で露光したのち、現像液に浸して、レジストにLine/Space(以下L/S)の周期構造を作製した。このレジストをマスクとして深堀エッチング装置でCr膜をエッチングし、Cr膜にL/Sの周期構造を作製した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
電子ビームリソグラフィ装置により、L/S=50/100nm、100/100nmで露光し、現像液に浸したレジストのSEM像をFig. 1に示す。

L/S=50/100 L/S=100/100
Fig. 1 SEM image of resist periodic structure
L/S=50/100nmの条件では、レジストが溶出してしまい、周期構造が作製できていなかった。それに対し、100/100nmでは設計値通りに周期構造が作製されていることを確認できた。
L/S=100/100nmの周期構造を作製したレジストをマスクとして深掘りエッチング装置でCr膜をエッチングしたサンプルのSEM像をFig. 2に示す。

Fig. 2 SEM image of Cr film after dry etching
Cr膜に設計値通りの周期構造が作製されていることが確認できた。
金属膜に対し、L/Sの周期構造を作製することは確認できたため、今後は偏光に適した材料、条件について調査を進める。

4.その他・特記事項(Others)
・機器利用に際し、設備の使用方法から周辺技術までサポート頂きました近田様をはじめ、大阪大学ナノテクノロジー設備供用拠点の皆様に感謝いたします。
・関連する課題番号;F-16-OS-0040

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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