利用報告書
課題番号 :S-16-OS-0044
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :二次元ナノポリマーの創製とその応用
Program Title (English) :The development of two dimensional nano-polymers and their application
利用者名(日本語) :小阪田泰子
Username (English) :Y. Osakada
所属名(日本語) :大阪大学産業科学研究所
Affiliation (English) :The Institute of Scientific and Industrial Research (SANKEN), Osaka University
1.概要(Summary)
ポルフィリンナノシートなどの有機ナノ材料のイオン化ポテンシャルを測定し、その光化学的物性に関する知見を得た。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
イオン化ポテンシャル測定装置(分光計器)
【実験方法】
これまでに我々は、共役分子の一つとして知られるポルフィリンをユニットとして有するCOFsにおける剝離法として、ポルフィリン中心への金属イオンとその配位子の軸配位を利用した剝離法を着想した。既報に基づきFig.1に示される構造を有するポルフィリンCOFsを合成した。軸配位子導入によるCOFsの剝離効果を調べるため、中心金属としてマグネシウム (Mg)、銅 (Cu)、軸配位子として、COFsの層間距離∼4 Å程度、あるいはそれ以上のサイズを有するピリジン (py、3.8 Å)、メチルピリジン (mpy、4.7 Å)およびエチルピリジン (epy、6.0 Å)を溶媒として用い、120 °Cにて還流条件下、20時間反応させた。本手法で合成した二次元ポルフィリンポリマーを、イオン化ポテンシャル測定装置を用いることで、真空条件下でのイオン化エネルギーを測定し、HOMOのエネルギー順位を見積もった。
3.結果と考察(Results and Discussion)
我々は、近赤外光に応答する光触媒開発を目指し、有機ナノ材料の開発を開始した。これまでに、ポルフィリンナノシートの合成とその光触媒活性に関して調べた。そこで、イオン化ポテンシャルを調査することで、光触媒の反応機構を明らかにし、高活性な材料の設計指針を得ることを目的とした。
イオン化ポテンシャル測定装置により、合成したポルフィリンナノシートのイオン化エネルギーを調べた。その結果、ポルフィリンナノシートのエネルギー順位がFig.2に示すエネルギーレベルであることが分かり、光触媒活性に寄与する因子が明らかとなった。
4.その他・特記事項(Others)
・ 本研究は、公益財団法人村田学術振興財団、研究助成の助成を得たものです。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 二次元ポルフィリンポリマーの合成とその特性、Y. Osakada et al., 2016年光化学討論会、平成28年9月7日 (ポスター).
6.関連特許(Patent)
なし







