利用報告書
課題番号 :S-19-SH—0006
利用形態 :共同研究支援型
利用課題名(日本語) :光学ガラス表面の特性評価
Program Title (English) :Characterization of Optical Glass Surface
利用者名(日本語) :長澤圭祐
Username (English) :Keisuke Nagasawa
所属名(日本語) :株式会社コシナ
Affiliation (English) :COSINA Co., Ltd.
1.概要(Summary )
光学ガラスの薄膜の成膜品質は、ガラス表面の構造・組成・微細な欠陥等により左右されるため、ガラス表面の特性を知ることは非常に重要である。
レンズの精密洗浄工程では純水が使用されるが、それ以前の洗浄工程では、不純物を含む水が使用される場合がある。ガラスと水の界面ではガラス成分のイオン交換や浸食、溶出など様々な反応が起きていると考えられ、水に含まれる物質も反応に関与すると考えられる。そこでまず洗浄に使用している、純水でない水に含まれる成分について調査を行った。
2.実験(Experimental)
それぞれ異なる工程の水を2種類用意し、アルミホイル上で水を乾かし、残渣をサンプルとした。
測定には信州大学の設備であるFlexSEMを使用し、成分分析を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
サンプル1~2の成分分析結果を図1~3に示す。
図1. サンプル1分析結果
図2. サンプル2分析結果
分析の結果、Si, Na, Mg, Ca, Sなどが成分として含まれていることが分かった。これら主に水に含まれるミネラル成分だと考えられる。
ガラスを無機塩類が溶解した水で洗浄した場合にどの様な影響が出るか分かっていないため、今後不純物を含む水と純水とで洗浄を行った場合にガラス表面の状態に違いが出るのかを検証したいと考えている。
4.その他・特記事項(Others)
謝辞
信州大学 カーボン科学研究所 研究員 小畑 美智子氏には、研究を進めるに当たり、日頃より有益なご助言を戴いた。ここに感謝の意を表する。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし