利用報告書
課題番号 :S-19-MS-1025
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :含窒素複素環部位を有する新規なD-A型分子を用いた機能性物質の結晶構造解析
Program Title (English) :Crystal structure analyses of functional materials based on new D-A type
molecules having a nitrogen-containing heterocycle
利用者名(日本語) :藤原秀紀
Username (English) :H. Fujiwara
所属名(日本語) :大阪府立大学大学院理学系研究科
Affiliation (English) :Graduate School of Science, Osaka Prefecture University
1.概要(Summary )
我々は磁場や光照射などの外部刺激に対し顕著な応答性を示す、磁性と伝導性・光物性の複合機能性の観点から興味が持たれる、新規な磁性伝導体の開発を行っている。そのような新規物質の開拓には、分子間相互作用を解析するための結晶構造解析が重要である。今回、複素環であるジアザキノン骨格を内包するπ拡張型TTF(1)のTCNQ錯体について単結晶を作製し、その構造について検討した。
2.実験(Experimental)
X線集光ミラーを備えた極微小結晶用単結晶X線回折装置(Rigaku社製 4176F07 CCD-3)を用いた回折測定を250K付近の温度領域で行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
ドナー分子としてジアザキノン骨格を内包するπ拡張型TTF(1)を用い、アクセプター分子としてTCNQを用いた電荷移動錯体について、CS2/CH3CN中での拡散法によって得られた黒色針状結晶の単結晶X線構造解析を行った。図1に分子1の構造を、図2に結晶中での積層構造を示す。結晶系は三斜晶系に属し、空間群はP-1であり、ユニットセル中には結晶学的に独立な分子がそれぞれ2つずつ存在し、D:A比は1:1であった。図1に示すように、結晶中でドナー分子は高い平面性を示し、図2に示すような、ドナー分子とTCNQ分子が交互に積層したスタッキング構造を構築した。単結晶試料の赤外吸収スペクトルの測定を行ったところ、2184 cm−1にTCNQのC-N伸縮振動が観測された。このことからこの錯体の電荷移動度は≒1であることが明らかになった。このような1価の分子が交互積層した構造のため、伝導性は絶縁体であった。
図1 結晶中での分子1の構造
図2 1-TCNQ錯体の結晶構造
4.その他・特記事項(Others)
本研究は科学研究費補助金(基盤研究(C)18K05264)により行われた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 西村友樹,酒巻大輔,藤原秀紀,第13回分子科学討論会,2019年9月17-20日.
6.関連特許(Patent)
なし







