利用報告書
課題番号 :S-16-NU-0024
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :塑性加工用潤滑剤の研究・開発
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :,三輪孝彦
Username (English) :
所属名(日本語) :株式会社コンセラ
Affiliation (English) :
1.概要(Summary )
塑性加工用潤滑剤の研究・開発を進めるに当たり、当社製品中に持ち込まれる、前工程の物質量を蛍光X線分析装置などで定量することを試みた。
2.実験(Experimental)
前工程に使用しているステアリン酸カルシウム量を、蛍光X線分析装置にて、Caの定量結果から導き、当社塑性加工用潤滑剤にどれほどの量が持ち込まれているかを調べた。
試料として次の3水準を測定し、その結果から、結論・考察することとした。
水準1.ステアリン酸カルシウム
水準2.当社塑性加工用潤滑剤(未使用品)
水準3.現場試験使用中の当社塑性加工用潤滑剤
利用装置:
・蛍光X線分析装置
(リガク社製 EDXL 300)
3.結果と考察(Results and Discussion)
表1に其々の測定結果を示す。
表1 各試料中のカルシウム量
水準 Ca測定結果
(wt%) 計算結果 (試料量を100とした時の比率)
1 15.1 15.756
2 13.7 14.581
3 13.4 12.893
各試料中に含まれるCaの定量は、計量した臭化カリウムを混合し、検出されるBrの定量値との比較として計算した。本来、蛍光X線による元素の定量は、検量線を作成して行う必要があるが、今回の試料中には、未知の元素が多く存在したため、FP法にて進めた。このため存在量は実際の量と異なっている可能性が高い。定量結果は絶対量の正確性ではなく、各水準間の相対比較として利用すべきであり、未使用の水準2と、使用中の水準3では、カルシウム量にさほど大きな差は認められず、従って前工程で使用されているステアリン酸Caは殆ど持ち込まれていないことが推定された。
前工程で使用しているステアリン酸カルシウムが、当社塑
性加工用潤滑剤に持ち込まれ、その性能に悪影響を与え
ることを懸念したが、測定結果から、その可能性が低いと推定できるので、今後の製品開発に有意義な測定であった。
4.その他・特記事項(Others)
蛍光X線の測定は、名古屋大学坂口特任教授、伊藤始氏に実施いただいた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







