利用報告書
課題番号 :S-20-OS-0024
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :多結晶界面を用いた低熱伝導率酸化亜鉛薄膜の開発
Program Title (English) :Development of ZnO thin films with low thermal conductivity using polycrystalline grain boundary
利用者名(日本語) :中村 芳明1), 石部 貴史1), 谷口 達彦1), 寺田 吏1), 上松 悠人1), 金子 達哉1), 小松原 祐樹1), 細田 凌矢1), 蘆田 湧一1), 片山 虎之介1), 北浦 怜旺奈1), 水田 光星1), 青木 勇磨2), 小島 幹央2)
Username (English) :Y. Nakamura1), T. Ishibe1), T. Taniguchi1), T. Terada1), Y. Uematsu1), T. Kaneko1), Y. Komatsubara1), R. Hosoda1), Y. Ashida1), T. Katayama1), R. Kitaura1), K. Mizuta1), Y. Aoki2), and M. Kojima2)
所属名(日本語) :1) 大阪大学 大学院基礎工学研究科, 2) 大阪大学基礎工学部
Affiliation (English) :1) Graduate School of Engineering Science, Osaka University, 2) School of
Engineering Science, Osaka University
1.概要(Summary)
現在、1次エネルギーのうち約7割が廃熱として捨てられており、そのうち7割が日常生活に潜む低温廃熱(~200℃)である。熱電発電の応用先を拡大させるため、透明熱電材料である酸化亜鉛(ZnO)に着目した。透明、安価、無毒なZnOは酸化物の中で比較的高い熱電出力因子をもち、透明熱電材料として期待される。これまで、薄膜化による熱伝導率の低減が実現されてきた。さらに、多結晶薄膜の形成により、界面フォノン散乱を誘起し、更なる熱伝導率低減が期待できる。しかし、ZnO薄膜結晶界面の熱伝導率への影響に関して深い調査は行われていない。そこで、様々な成長条件で多結晶ZnO薄膜を成長し、その表面状態と熱伝導率への影響を明らかにすることを目的とする。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
パルスレーザーMBE装置(PLD)
【実験方法】
PLD法 (周期: 10 Hz)を用いてSiO2基板上に多結晶ZnO薄膜を形成した。基板温度400ºC、酸素分圧1.0 Paの条件で固定し、成膜レートをそれぞれ1.0 nm/min、2.0 nm/minと変えて製膜した際のZnO薄膜をそれぞれsample A, sample Bとする。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Figures 1(a), (b)は、それぞれsample A, sample Bの表面SEM像である。sample Aでは、粒径50~100 nmのドメインが確認され、sample Bではワイヤ状のドメインが確認された。AFMによる表面形状観察を行ったところ、sample Aはsample Bに対し、比較的平坦であることを確認した。この表面状態の違いは熱伝導率などの熱電物性の変化に寄与するものと考えられる。今後、基板温度・酸素分圧の調整を行い、薄膜表面構造と熱伝導率への影響をさらに進めていく。
Figure 1 (a, b) Plane view SEM image of sample A (a) and B (b).
4.その他・特記事項(Others)
「なし。」
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
「なし。」
6.関連特許(Patent)
「なし。」