利用報告書
課題番号(Application Number):S-16-NR-0055
利用形態(Type of Service):技術代行
利用課題名(日本語) :天然素材と皮膚の界面における物質の挙動の表面分析を用いた研究
Program Title (English) :Mechanism of toxic substance transfer from human body in natural fabrics
using surface analysis techniques
利用者名(日本語) :佐野奈緒子
Username (English) : Naoko Sano
所属名(日本語) :奈良女子大学 大学院 生活工学共同専攻
Affiliation (English) :The National University Corporation Nara Women’s University
1.概要(Summary )
皮膚から衣服への物質移動(老廃物等の除去)が健康に与える影響に興味がある。さまざまな繊維と物質との組み合わせについて物質移動の振舞いを調べる。
2.実験(Experimental)
試料の汚染度を確認する為に、入手時のまま(As received)と洗浄を行った布をXPSにて測定し不純物の同定を行った。
また、単一繊維布5種に重金属と脱イオン化水を用いて調製した水溶液を滴下したものを用意し、その上に乾燥した異なる種類の布を重ね計4層のサンプルを作成した。乾燥した各層の布に重金属が移動するか調べるため、前処理を行なわず、MALDI-TOF質量分析装置にてリニアモードで測定した。
利用装置:
・ アルバック・ファイ社製X線光電子分光分析装置(XPS)PHI5000VersaProbeⅡ
・ BrukerDaltonics社製質量分析装置MALDI-TOF質量分析装置AutoflexⅡ
・ JEOL社製MALDI-Spiral-TOF質量分析装置JMS-S3000
アルバック・ファイ社製X線光電子分光分析装置(XPS)PHI5000VersaProbeⅡ
BrukerDaltonics社製質量分析装置
MALDI-TOF質量分析装置AutoflexⅡ
3.結果と考察(Results and Discussion)
XPS分析により、試料最表面においては、As receivedにおいて不純物が見られなかったことより、洗浄の必要性はないことがわかった。
LDI分析において、一定濃度以上の水溶液を用いたサンプルでは積層する布の組み合わせにより着目重金属の移動の挙動が異なることが判明した。
また、前処理をしないと着目重金属の検出は1000ppm以下の検出が不可能であることが判明した。 目的濃度である1ppmを検出するには前処理が必要であり、今後前処理方法を検討してより低濃度の検出を行う予定である。
4.その他・特記事項(Others)
本研究は科研費16H06979の助成を受けたものである。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







