利用報告書
課題番号 :S-20-NM-0002
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :小麦タンパクの解析
Program Title (English) :Analysis of wheat protein
利用者名(日本語) :木澤 恵子
Username (English) :K. Kizawa
所属名(日本語) :日清製粉株式会社
Affiliation (English) :Nisshin Flour Milling Inc.
1.概要(Summary)
小麦の主要な貯蔵蛋白質であるグリアジンをLC-MS/MSで解析し、実際に小麦粉中でタンパク質として存在しているグリアジン遺伝子を明らかにした。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
【実験方法】
小麦粉からWangら(2017)の方法を基にグリアジンを抽出した。小麦1粒をマルチビーズショッカーで粉砕した。そこへRAG solution(0.4M NaCl in 0.067M KNaHPO4 buffer (Na2HPO4/KH2PO4), pH7.6 ) 1mlを加えて10分間vortexを行い、遠心(13,500×g、10分)し、上清を除去した。これをあと2回繰り返した。ペレットに、70%エタノールを500μl加え、1時間 vortexを行った後、遠心(13,500×g、10分)し、上清を採取した。これをもう一度繰り返し、2回の上清を混合し、グリアジン抽出液とした。
これらグリアジン抽出液をプロテアーゼで分解した後に、C-TIP(AMR社製)に通し、LC-MS/MS (Q-Exactive)に供した。
また、これらグリアジン抽出液を二次元電気泳動で分離し、スポットをプロテアーゼでin-gel消化し、LC-MS/MS (Q-Exactive)に供した。
LCカラムは、15 cm × 100μm ID Zaplous α Pep-C18 column (AMR, Tokyo, Japan)を使用し、溶離液Aには、0.1%ギ酸を含む水、溶離液Bにはアセトニトリルを使用し、溶離液Bの割合を20分で5%から45%にあげるグラジエントプログラムでペプチドを分離した。
MSピークは、Proteome Discoverer version2.4を使用して解析した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
抽出液中に、タンパク質として存在するグリアジンを同定することができた。
4.その他・特記事項(Others)
利用にあたりNIMS分子・物質合成プラットフォームの服部氏、吉田氏、高橋氏の支援を受けた。
参考文献:Da-Wei, Wang. et al. Genome-wide analysis of complex wheat gliadins, the dominant carriers of celiac disease epitopes. Sci. Rep. 7:44609(2017).
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
6.関連特許(Patent)