利用報告書
課題番号 :S-20-NM-0015
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :成分不明の試料(微小異物)分析
Program Title (English) :Analysis of microforeign substance
利用者名(日本語) :上野康博
Username (English) :YASUHIRO UENO
所属名(日本語) :株式会社バスクリン
Affiliation (English) :BATHCLIN CORPORATION
1.概要(Summary )
微小異物の形状観察と元素分析を行った。
2.実験(Experimental)
微小異物について、下記、検討を行った。
1)実体顕微鏡による観察
使用機器名: 実体顕微鏡S6E(ライカ製)
2)SEM-EDXによる観察と元素分析
使用機器名: 卓上電子顕微鏡Microscope TM3000
3.結果と考察(Results and Discussion)
1)実体顕微鏡による分析
図1 微小異物の実体顕微鏡写真
微小異物は白色と黄色の部分からなる、約1.5mm径の粒子であった。
2)SEM-EDXによる観察と元素分析
図2 微小異物のSEM写真(左)と元素分布図(右)
微小異物は黒色に観察される部分(以下、黒色部と略)と、白色に観察される部分(以下、白色部と略)からなることが明らかになった。SEM観察では電子線の反射具合によって色調が異なって観察されるため、黒色部と白色部は、それぞれ成分組成の異なる別の物質であることが推測された。
黒色部が細かい鱗状、層状または結晶状の微細構造を有する凹凸の多い形状であるのに対し、白色部は平滑面からなる板状であった。
SEM写真とEDXによる元素分布図を重ねて検討した結果、黒色部は亜鉛(Zn)を含む有機物または有機物と亜鉛を含む無機物の混合物である可能性が示唆された。一方、白色部はモリブデン(Mo)を含む組成物であることが示唆された。
4.その他・特記事項(Others)
計測にあたってはNIMS竹村氏、高橋みどり氏の支援を受けた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし