利用報告書
課題番号 :S-16-NU-0018
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :抗菌加工を行った羊毛のジスルフィド結合のラマンスペクトルによる評価
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :柴田浩史
Username (English) :H.Shibata
所属名(日本語) :中京大学工学部機械システム工学科
Affiliation (English) :
1. 概要(Summary )
スーツや重量に用いられる羊毛には銀系抗菌剤の効果が発揮されない.その理由として銀イオンは羊毛内のジスルフィド結合を分解してしまい硫化銀となり,羊毛が黒く変色してしまい,抗菌能力がなくなってしまうためである.
本実験では銀系抗菌剤として銀錯体用いて抗菌加工を行う.加工した羊毛内のジスルフィド結合の有無を確かめる.
2.実験(Experimental)
酢酸銀,酸化銀,塩化銀を原料に以下のように銀錯体溶液を作製した.①酢酸銀0.1mol亜硫酸ナトリウム七水和物0.3molチオ硫酸ナトリウム五水和物0.2molで作製した銀錯体(以下ACA)と、②酸化銀0.1molチオ硫酸ナトリウム五水和物0.4molで作製した銀錯体(以下ACO)、③塩化銀0.1molチオ硫酸ナトリウム五水和物0.2molで作製した銀錯体(以下ACC)を用いた.試薬は全て和光純薬製である.作製したそれぞれの銀錯体溶液に羊毛を浸漬し,5℃前後の暗所で一週間静置し、溶液から取り出した後,洗浄乾燥させた.レーザーラマン分光光度計(JASCO社製NRS-1000)を用いて作製した羊毛の測定を行った.
図1 羊毛のラマンスペクトル
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1のように本実験ではジスルフィド結合を検出することができなかった.加工処理をしていない羊毛からもピークが検出することができなかったため今回の測定ではジスルフィド結合の有無は不明である.
より精密な機械を用いることで今回検出することができなかったピークを得る可能性がある.
4.その他・特記事項(Others)
参考文献
岡部孝之,大森英城治,部亘記,羊毛繊維の抗菌加工技術の開発
謝辞
本研究を進めるにあたり御指導,御鞭撻を賜りました西村様に心より深く感謝致します.
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)







