利用報告書
課題番号 :S-19-CT-0124
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :放線菌の新規代謝経路解明のための13C標識クマリン化合物の合成
Program Title (English) :Synthesis of 13C-coumarin to analyze unknown metabolic pathway of Streptomyces strain.
利用者名(日本語) :斎藤菜摘
Username (English) :N. Saito
所属名(日本語) :独立行政法人国立高等専門学校機構 鶴岡工業高等専門学校
Affiliation (English) :National Institute of Technology, Tsuruoka College
1.概要(Summary )
本研究は、植物根圏の放線菌から新規代謝経路の発見を目指す研究である。放線菌の代謝は有用物質の生産に関係し、未知代謝経路の解明が必要である。我々は、放線菌のスクリーニングと機能解析の研究の過程で、植物代謝物質のクマリンを炭素源として利用できる放線菌を発見した。本試行的課題では、放線菌のクマリン代謝経路を同定するために、13C安定同位体標識クマリン化合物を合成することを目的とした。13Cクマリンを炭素源として放線菌に取り込ませ、質量分析により標識化合物をトレースすることにより代謝経路を決定する研究を展開する。
2.実験(Experimental)
C(2)またはC(3)が13Cラベルされたクマリンを最終産物とするための合成スキームを考案した。13Cラベル化酢酸塩化物を用いてサリチルアルデヒドをO-アセチルサリチルアルデヒドに変換し、分子内縮合によりクマリンに変換する2段階経路を選択した(式1)。5モル-%の酢酸ナトリウムを塩基触媒に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として2 h加熱還流を行うことで反応を促進した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
酢酸ナトリウムとDMFを用いた加熱還流により、副産物の生成を抑え、高収率で2-13Cラベル化クマリンをグラムスケールで合成することに成功した。1H NMRに
おけるカップリングパターンと13C NMRにおけるシグナル強度から、2位に選択的なラベルがされた化合物の合成を確認した(Fig. 1)。ラベル化クマリンの純度および量は、菌の培養に用いるために十分足りるものなので、13Cクマリンの取り込み後の細胞抽出物の解析を開始する予定である。
4.その他・特記事項(Others)
本課題は令和元年度、公立千歳科学技術大学ナノテクノロジー支援事業試行的利用の採択を受け実施した。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) Ztouti A., Saito N., Sasaki J., Yamaguchi T., Araki N., Oshiki M. Draft Genome Sequence of the Plant Growth-Promoting Streptomyces sp. Strain 6-11-2.
Microbiol Resour Announc., 2019 Nov., 8(47). pii: e00877-19. PMID:31753937
6.関連特許(Patent)
なし







