利用報告書

新しいメソ多孔性炭素の開発
日野 和之1)(1) 愛知教育大学教育学部)

課題番号 :S-20-MS-1048
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :新しいメソ多孔性炭素の開発
Program Title (English) :Development of novel mesoporous carbon materials
利用者名(日本語) :日野 和之1)
Username (English) :K. Hino1)
所属名(日本語) :1) 愛知教育大学教育学部
Affiliation (English) :1) Aichi University of Education

1.概要(Summary )
 メソ多孔性炭素は、その大表面積とサブナノサイズの小分子を孔内に導入・排出するという特殊性を持つため、ナノサイズの触媒を密に担持できれば、単位面積あたりのエネルギー変換効率が極めて高くなるため、高出力の燃料電池触媒担持体として自動車などに用いられている。しかし、製造コストがかかるため高価な材料となっている。そこで、出来るだけ簡便に、しかも実用可能な性能が発揮できるメソ多孔性の炭素の開発が望まれている。今回、その形状の最適化に向けた一歩として、ネットワーク状炭素と径が細いサンゴ状炭素の2種の開発を試みた。

2.実験(Experimental)
 銅や銀のアセチリド化合物の結晶を作製し、金属を特殊な方法で除き、グラフェン壁で囲まれた空孔の集まりとしてのネットワーク状及びサンゴ状の2種の炭素を合成した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 分子科学研究所の高分解能走査電子顕微鏡を用いて2種の炭素の形状観察を行った。結果を図1と図2に示す。ネットワーク状炭素の径は500 nmから1 μmの大きさであるが、サンゴ状メソ多孔性炭素のそれは、50〜100 nmの径に留まっている。後者が適切な炭素である。しかし、内部空孔への入口は最大数十nmと結構大きくなっており、この径の制御を更に詰める必要がある。内部空孔の透過電子顕微鏡による直接観察の必要があり、この後、触媒担持、燃料電池評価へと進む予定である。

4.その他・特記事項(Others)
 特に無し。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
 特に無し。
6.関連特許(Patent)
 なし。

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