利用報告書

新規リンス液の探索
ジュリウスジョセフ サンティリャン

課題番号                :S-20-NM-0007

利用形態                :機器利用

利用課題名(日本語)    :新規リンス液の探索

Program Title (English) :Investigation of new rinse solutions

利用者名(日本語)      :ジュリウスジョセフ サンティリャン

Username (English)     :JULIUS JOSEPH SANTILLAN

所属名(日本語)        :大阪大学 産業科学研究所

Affiliation (English)  :Osaka University, The Institute of Scientific and Industrial Research

 

1.概要(Summary )

光リソグラフィによるパターン形成技術では、フォトレジストの現像後に洗浄工程(“リンス”工程)がある。リンス液として純水が主に使用されているが、更なるパターン微細化ではパターン倒れ等の“欠陥”課題を解決するため、純水以外のリンス液を検討・探索する必要がある。そのため、シリコン上に塗布したフォトレジスト膜上のリンスの濡れ性に着目し、スクリーニングを行い、最適化を計る。

 

2.実験(Experimental)

【利用した主な装置】

 

【実験方法】

国立研究開発法人物質・材料研究機構の分子・物質合成プラットフォームで、接触角測定装置(AST Products社製VCA Optima-XE)を用いて、準備したフォトレジスト材料(ウェハ上に塗布した膜)に対する多種類のリンス液の静的接触角を測定した。

本検討では11種類のリンス液をスクリーニングした(11種類の界面活性剤を0.1wt%濃度で純水に添加したもの)。各々界面活性剤は、ノニオン系のものである。

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

Figに示しているのは、フォトレジスト上での各々界面活性剤(0.1wt%)で作成したリンス液の接触角である(純水のみのものと比較)。

目論見通り、界面活性剤を添加したことにより、純水のフォトレジスト上での接触角は低下した。無添加の純水液の接触角83.7°に対し、殆どのリンス液では20-30°の接触角低下が得られた。特に、NI-2とNI-3の場合、接触角は極端に低下した(50°以上の接触角低減)。一方、NI-7では接触がほぼ純水と変わらなかった結果だった。

次のステップとして、純水の接触角を十分に低減できたNI-1、NI-2、NI-3、NI-4、NI-5、NI-6、NI-8、NI-9、NI-10、NI-11を中心に、本研究を継続する予定。

 

4.その他・特記事項(Others)

接触角測定装置の利用についてNIMS分子・物質合成プラットフォームの李潔氏、服部氏に支援を受けた。

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし

 

6.関連特許(Patent)

なし

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