利用報告書

新規材料を用いたSiC薄膜成膜方法の開発
中村 昌幸1),小林 貴之1),本山 慎一1)
1)サムコ株式会社

課題番号 :S-20-NR-0033
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :新規材料を用いたSiC薄膜成膜方法の開発
Program Title (English) :Research on deposition of SiC thin films using the novel precursor
利用者名(日本語) :中村 昌幸1),小林 貴之1),本山 慎一1)
Username (English) :M.Nakamura1),T.Kobayashi1),S.Motoyama1)
所属名(日本語) :1)サムコ株式会社
Affiliation (English) :1)Samco Inc.

1.概要(Summary )
従来、SiCの成膜には、2000℃以上の高温を必要とする昇華法や自然発火性のSiH4(シラン)あるいは腐食性の高いSiH2Cl2(ジクロロシラン)等の原料を用いるCVD法が用いられてきた。それらの成膜手法はエネルギーコストや危険性が高いが故に、より簡便で安全な成膜方法が望まれている。
今回、腐食性、自然発火性のない原料を用いて、比較的低温でSi基板上にSiCの膜が形成できることを確認した。形成した膜の組成分析を二次イオン質量分析装置(SIMS)により実施した。

2.実験(Experimental)
【主な利用装置】二次イオン質量分析装置(SIMS)
【実験方法】
HF洗浄によって自然酸化膜を除去したSi(111)基板をサムコ製成膜装置に入れ、Arと共にSiC原料を供給して1100℃にて成膜を行った。成膜を行ったサンプルをSIMSにて組成分析した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
Fig.1にSIMSの測定データを示す。下地であるSiの他にAl,Fe,Zn,Cが検出された。56Feや58NiはSi基板に到達した後の方が多く検出されていることからSiの二量体等の質量干渉を受けていると考えられる。
AlやFe,Zn等はSiC原料の生成時に混入する可能性のある元素のため、原料起因であると推測される。

Fig.1 SIMS profile of the SiC film.

4.その他・特記事項(Others)
今回の測定はNAISTの技術職員岡島氏にご担当いただきました。御礼申し上げます。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。

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