利用報告書
課題番号 :S-17-OS-0012
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :最先端微細加工材料のナノ化学の研究
Program Title (English) :Study on Nano Chemistry of Advanced Nanofabrication material
利用者名(日本語) :石原智志, 誉田明宏, 小林一雄
Username (English) :S. Ishihara, A. Konda, K. Kobayashi
所属名(日本語) :大阪大学産業科学研究所
Affiliation (English) :ISIR, Osaka University
キーワード/Keyword :金属酸化物レジスト, エリプソメーター
1.概要(Summary)
現代社会に欠かすことのできない半導体産業を支えてきたリソグラフィ技術は、すでに22 nm以下の大量生産を可能にしており、将来の半導体産業・ナノテク産業における加工ツールとして最も有望視されている。現在、露光源にはレーザーなどの光が用いられているが短波長化の限界のため、極端紫外光(EUV)や電子線(EB)のような量子ビームが次期露光源として有望視されている。今から10年後にはシングルナノメートルのパターン形成が期待されているが、量産レベルに対応可能な材料がなく、新規材料の開拓が求められている。シングルナノパターンニングのためには、パターン倒壊のために薄膜化が必要であり、十分なエッチング耐性をレジストに持たせる必要がある。加えて、高感度を達成するためにEUVに対して吸収断面積の大きい元素である金属元素を導入することは有効である。このような理由で、現在、金属含有レジストやナノパーティクルレジストといったメタルレジストが注目されている。本研究では、メタルナノジルコニアナノ粒子レジストを取り上げ、その性能評価の研究を行った。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
S08 位相変調型分光エリプソメーター
【実験方法】
本研究で使用した、金属酸化物ナノ粒子レジストは金属ナノ粒子として粒径1.7 nmの酸化ジルコニウムを用いた。有機配位子としてメタクリル酸(MAA)が質量比で酸化ジルコニウム : MAA = 1 : 1.5の比である。溶媒にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)を用いた。ナノ粒子レジストの性能評価として、EB感度測定を行うために、シリコン基板上に成膜したナノ粒子レジストを電子線リソグラフィ装置で露光した後、酢酸n-ブチルと蒸留水で現像とリンスを行った。パターンの膜厚を膜厚計で測定し、位相変調型分光エリプソメーターを利用して感度曲線を作成した。また、得られたパターンをSEMにて観察した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Fig. 1 (a)は金属酸化物ナノ粒子レジストの感度曲線の結果である。金属酸化物ナノ粒子レジストのEB感度は8.5 μC/cm2となった。Fig. 1 (b)は金属酸化物ナノ粒子の線幅 50 nm、ピッチ 200 nm のライン&スペースのSEM像を示す。最小線幅は50 nmであった。このように、今回評価した金属酸化物ナノ粒子レジストは良好なレジスト性能を示した。
Fig. 1. (a) Sensitivity curve and (b) SEM image of metal oxide nanoparticle resist..
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。