利用報告書
課題番号 :S-19-NR-0004
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :有機半導体材料の創生とデバイス応用に関する研究
Program Title (English) :Research on Creation of Organic Semiconductors and Devices with use of them
利用者名(日本語) :奥本健二
Username (English) :K. Okumoto
所属名(日本語) :株式会社奥本研究所
Affiliation (English) :Okumoto Laboratory Co., Ltd.
1.概要(Summary )
有機ELや有機太陽電池などに代表される有機薄膜デバイスは、柔軟性、軽量性、製造コストに優れており、実用化に向けて活発に研究が行われている。課題である効率や寿命の改善に向けて、有機半導体の材料開発が鍵となっている。
弊社は、有機半導体材料と有機薄膜デバイスの研究開発事業を行っている。具体的には、材料の化学構造の設計と合成、物性評価とデバイス試作を通して、デバイス特性の改善を進めている。
一方、材料の同定と薄膜の評価に対しては、弊社単独では設備が不足している。そこで、本ナノテクプラットフォーム事業で①MALDI-Spiral-TOF質量分析装置で合成した化合物を分析することで分子量に関する情報を得ることと、②触針式表面段差計により、成膜した有機薄膜の膜厚を評価させていただいた。
2.実験(Experimental)
合成・精製した新規な有機半導体を同定するために質量分析装置(MALDI-Spiral-TOF質量分析装置、日本電子社製、型番JMS-S3000)によって、分子イオンピークの検出を行った。測定は、合成した材料とマトリックスDCTBをテトラヒドロフラン溶媒中で混ぜ合わせ、空気中で乾燥させたサンプルに対して行った。
また、新規有機半導体を製膜し、その膜厚を触針式表面段差計(KLA-Tencor,AS-500)で測定を行った。測定は、ガラス基板上に有機物を均一成膜し、線状の剥離を機械的に行い、基板面と膜面の段差を測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1は、弊社で合成した有機半導体材料の質量分析測定を行ったマススペクトルである。MALDI-Spiral-TOF質量分析装置によって得られるマススペクトルはノイズが少ない特長があり、これによって目的の分子の構造について有用な情報が得られた。
図1. 化合物Aのマススペクトル
次に、この材料を真空蒸着法あるいはスピンコート法によって成膜し、触針式表面段差計によって膜厚を測定した。その結果、図2に示す高さプロファイルが得られ、狙い通り100nm程度の薄膜が形成できていることが確認できた。
図2. 触針式表面段差計の高さプロファイル
現在、これらの材料を用いる太陽電池デバイスを作成して光電変換特性を示すことまで確認できている。今後、同ナノテクプラットフォーム事業の分光感度・内部量子効率測定装置CEP-2000RRなどによって、定量評価を進めていく予定である。
本ナノテクプラットフォーム事業において技術代行をいただいた西川技術専門職員様、測定のご指導をいただいた小池技術専門職員様に深く感謝申し上げます。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







