利用報告書

有機無機太陽電池材料の設計・合成・評価
井出茉里奈, 大賀光, 石田直輝, 嶋田佳幾, 佐伯昭紀
大阪大学大学院, 工学研究科, 応用化学専攻

課題番号 :S-15-OS-0044
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :有機無機太陽電池材料の設計・合成・評価
Program Title (English) :Design, Synthesis ,and Evaluation of Organic/Inorganic Solar Cells
利用者名(日本語) :井出茉里奈, 大賀光, 石田直輝, 嶋田佳幾, 佐伯昭紀 
Username (English) :M. Ide, H. Oga, N. Ishida, Y. Shimata, A.Saeki
所属名(日本語) :大阪大学大学院, 工学研究科, 応用化学専攻
Affiliation (English) :1) Dep. of Applied Chemistry, Grad. School of Engineering, Osaka University

1.概要(Summary)
有機・有機無機ハイブリッド太陽電池の性能向上には、新たな材料の開発と適切な素子構造を構築が必要不可欠である。特に、活性層を構成する材料の価電子帯や最高占有分子軌道(HOMO)は、素子性能(開放電圧)を決める重要な因子であるため、イオン化ポテンシャル(IP)を正確に知ることが必要である。そこで、IP測定装置を用いて薄膜のHOMO準位を評価した。得られたHOMO準位を適切なデバイス設計や材料開発にフィードバックすることで、変換効率の向上を目指した。

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
イオン化ポテンシャル測定装置
【実験方法】
適切なサイズにカットしたITO/Glass基板上に高分子や有機無機ハイブリッド材料を塗布し、イオン化ポテンシャル測定装置チャンバー内にセットして真空下にて4~7 eVのエネルギー範囲で光電子収量を評価した。その後、バックグラウンド補正と線形フィッテイングよりIPを求めた。

3.結果と考察(Results and Discussion)
有機薄膜太陽電池の場合、得られる開放電圧はp型材料のHOMO準位とn型材料(主としてフラーレン誘導体)のLUMO準位の差に比例する(Figure 1a)。典型的なp型半導体である立体規則性ポリ(3-ヘキシルチオフェン):P3HT薄膜で得られた光電子収量スペクトルをFigure 1bに示す。この交点より、HOMOは-4.92 eVと見積もられ、これまで同様の手法で報告されている値とよい一致を示した。続いて、各種新規高分子や有機無機材料のイオン化ポテンシャルを評価し、素子性能との比較を行った。

4.その他・特記事項(Others)
・科学研究費補助金 基盤研究(B)H25~28年度 代表者:佐伯昭紀“デバイスレス有機薄膜太陽電池性能予測診断システムの開発”25288084

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) H. Nishimura, N. Ishida, A. Shimazaki, A. Wakamiya, A. Saeki, L. T. Scott, and Y. Murata, J. Am. Chem. Soc. 137 (2015) 15656-15659.
(2) M. Ide, A. Saeki, Y. Koizumi, T. Koganezawa, and S. Seki, J. Mater. Chem. A 3 (2015) 21578-21585.
(3) T. Fukumatsu, A. Saeki, and S. Seki, Polym. Chem. 6 (2015) 5860-5868.
(4) S. Yoshikawa, A. Saeki, M. Saito, I. Osaka, and S. Seki, Phys. Chem. Chem. Phys. 17 (2015) 17778-17784.

6.関連特許(Patent)
なし

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