利用報告書

有機薄膜デバイス断面の構造分析
田中 光 
東洋紡株式会社 コーポレート研究所ケミカル基盤ユニット有機合成グループ

課題番号 :S-20-JI-0013 S-19-JI-0038
利用形態 :技術代行支援
利用課題名(日本語) :有機薄膜デバイス断面の構造分析
Program Title (English) :Cross-sectional structural analysis of organic thin film devices
利用者名(日本語) :田中 光
Username (English) :Tanaka Hikaru
所属名(日本語) :東洋紡株式会社 コーポレート研究所ケミカル基盤ユニット有機合成グループ
Affiliation (English) :Organic Synthesis Group Chemical Research Unit Corporate Research Center
TOYOBO CO.,LTD.

1. 概要(Summary )
透過型電子顕微鏡を用いた有機薄膜デバイスの断面構造分析により、有機薄膜太陽電池(OPV)の特性と薄膜構造の関係を調査した。

2.実験(Experimental)
透過型電子顕微鏡:JEM-ARM200F(日本電子社製)、H7650(日立製)。試料作製装置:集束イオンビーム加工装置・FIB(SIIナノテク社製 SMI3050)
OPVデバイスから断面作製装置により断面を切り出し、透過型電子顕微鏡群を用いた構造分析を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
東洋紡㈱で開発したOPVドナー材料を用いて作製した有機薄膜デバイス中の有機活性層相分離構造の観察にトライした。(参考文献 Ji Sun Moom et.al., NANO LETTERS 2009 Vol.9,No.1 230-234.)
東洋紡製 OPVドナー材料と2種類のアクセプター材料(フラーレン誘導体)を用い2種類のOPVデバイスを作製しTEM_HCモードやSTEM-BFモードで加速電圧、フォーカスを調整し測定を実施した。
結果、フラーレン誘導体①と添加剤を用いたデバイスはTEM_HCモード 加速電圧80 kV、デフォーカスで観察を行い図aのように活性層中にわずかな濃淡が確認された。さらに画像解析行うことで50 nm~150 nmの相の存在が推察された。
対して、フラーレン誘導体②を用いたデバイス(添加剤未使用)は同様の観察を行い図bのように50 nm~250 nmの相の存在が推察された。相のサイズが文献値の25 nmより大きい事、及び使用材料により相サイズが異なる事が確認された。
●東洋紡製材料のTEM_HC像
図a:ドナー材料:東洋紡製ドナー材料、アクセプター材料:フラーレ誘導体① 濃淡より50~150 nmの相有

図b:ドナー材料:東洋紡製ドナー材料、アクセプター材料:フラーレ誘導体② 濃淡より50~250 nmの相有

4.その他・特記事項(Others)
無し。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
無し。
6.関連特許(Patent)
無し。

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