課題番号 ：S-14-KU-0010
利用形態 ：機器利用
利用課題名（日本語） ：核酸―酵素コンジュゲートの分子構造解析
Program Title (English) ：Structural analysis of DNA-enzyme conjugate
利用者名（日本語） ：高原　茉莉, 神谷　典穂
Username (English) ：M. Takahara, N. Kamiya
所属名（日本語） ：九州大学未来化学創造センター
Affiliation (English) ：Center for Future Chemistry, Kyushu University

１．概要（Summary）
本研究では、２種類の酵素反応を組み合わせることで得られる新規核酸-酵素コンジュゲートの機能解析を行っている。特にコンジュゲートを構成する核酸と酵素の組成比、核酸部位のヌクレオシド構成比の詳細分析が、得られるデータの解釈と構造-機能相関に必須である。そこで、ナノテクPFの支援の下、コンジュゲートにおけるDNA一本鎖あたりの酵素数の定量分析を行うことで、更なる研究の展開を図る。
２．実験（Experimental）
新規核酸-酵素コンジュゲートの構造解析を目的とし、まずはコンジュゲートを加水分解酵素で分解し、ヌクレオチド単位まで分解した。その後、各種ヌクレオチを含むサンプルをLC-micrOTOFにアプライし、各ヌクレオチドの分離と定性、定量を同時に行い、コンジュゲート前のペプチド標識量について、定量解析を実施した。
３．結果と考察（Results and Discussion）
LC-micrOTOFから得られた定性・定量解析から、ペプチド修飾ヌクレオチドの核酸への標識効率は、組み合わせるdNTPごとに異なることが示された。今後はコンジュゲート後の酵素標識量も解析し、組み合わせるdNTPと酵素標識効率について、考察していく予定である。
４．その他・特記事項（Others）
参考文献
M.Takahara, K. Hayashi, M.Goto, N. Kamiya, Tailing DNA aptamers with a functional protein by two-step enzymatic reaction, J. Biosci. Bioeng., 116, 660–665 (2013).
(第3回 生物工学学生優秀賞（飛翔賞）、日本生物工学会、2014年5月、第22回 生物工学論文賞、日本生物工学会、2014年5月　受賞、共に2014年度生物工学会誌にて解説記事掲載)
５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
・学会発表
1)「一本鎖 DNA 末端への効率的な酵素標識に向けた基礎検討」高原茉莉、林浩之輔、後藤雅宏、神谷典穂、第66回日本生物工学会　平成26年9月10日、札幌コンベンションセンター
2)「核酸アプタマー末端への酵素標識効率の向上とその応用」高原茉莉、林浩之輔、後藤雅宏、神谷典穂、化学工学会 第46回秋季大会　平成26年9月17日、九州大学
６．関連特許（Patent）
なし