利用報告書

植物の機能性成分の探索および合成
樋口 央紀
株式会社機能性植物研究所

課題番号 :S-19-CT-0071
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :植物の機能性成分の探索および合成
Program Title (English) :Search and synthesis of functional components of plants.
者名(日本語) :樋口 央紀
Username (English) :Oki Higuchi
所属名(日本語) :株式会社機能性植物研究所
Affiliation (English) :Biodynamic Plant Institute Co., Ltd. (BPI)

1.概要(Summary )
植物には様々な機能性成分が含まれており、医薬や食品分野で活用されている。桑葉には、古くから糖尿病に効果があるとされ、漢方では桑白皮(ソウハクヒ)として、鎮咳、去痰に用いられてきた。桑葉に含まれる糖尿病予防成分(1-デオキシノジリマイシン、GAL-DNJ、ファゴミンなどのアザ糖類)の分析技術を開発し、これにより高機能の桑葉食品の開発が可能になった1)。本利用課題では、桑の葉に含まれているアザ糖類およびその誘導体を合成し、構造解析等を行っている。
また、クロレラ(Chlorella)は、トレボウキシア藻綱のクロレラ目、クロレラ科、クロレラ属に分類される。クロレラの栄養成分は、乾燥重量換算で、タンパク質45%、脂質20%、糖質20%、灰分10%、その他にビタミン類やミネラル類を含む。クロレラは、現在、健康食品として製造販売されており、様々な機能性(免疫賦活作用、乳酸菌増殖活性など)が報告されている。しかし、その機能性成分が具体的に同定されている研究報告例はほとんどない。本利用課題では、乳酸菌増殖活性試験系(in vitro)を用いて、クロレラの乳酸菌増殖活性について評価し、その活性成分を単離・同定することである。
2.実験(Experimental)
桑葉から得た、粗抽出物は濾過、濃縮等の工程後に、各種イオン交換クロマトグラフィーに供し、各種アザ糖類を精製した2),3)。生成したアザ糖類は、NMR(JEOL 400)に供し、各種スペクトル解析(1H、13C、1H-1H COSYなど)を行い、構造を確認した。1-デオキシノジリマイシンについては、化学合成法によって、N-メチル-1-デオキシノジリマイシン(誘導体)を合成した。合成方法は、生成した1-デオキシノジリマイシンに37%のホルムアルデヒドと80%ギ酸の存在下で、80℃で反応させた。イオン交換クロマトで再精製し、N-メチル-1-デオキシノジリマイシンを得た。クロレラから得た粗抽出物については、ゲルろ過クロマトグラフィーによって精製し、いくつかの画分が得られた。
3.結果と考察(Results and Discussion)
合成したN-メチル-1-デオキシノジリマイシンについて質量分析装置で構造解析を行い、文献の結果と一致した。分子量については現在確認中である。
クロレラから分画した各画分について乳酸菌増殖活性試験を実施し、UVスペクトル分析、全糖量の測定を実施した。現在各種NMRスペクトルの測定(一次元NMR:1H、13C、DEPT、二次元NMR:1H-1H COSY、HMBC、HMQC等)を行っており、構造を解析中である。
4.その他・特記事項(Others)
1) K. Nakagawa et al. Anal Biochem,
404(2010) 217-222.
2) N. Asano et al. Carbohydrate Research,
253(1994)235-245.
3)N. Asano et al. Carbohydrate Research,
259(1994)243-255.
・謝辞
本研究の遂行にあたりまして、ご協力していただきました公立千歳科学技術大の河野敬一先生に感謝の意を表します。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし

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