利用報告書

機能性材料の超薄切片の作製と顕微鏡観察
瀧健太郎1)
1) 金沢大学理工研究域自然システム学系

課題番号 :S-16-JI-0050
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :機能性材料の超薄切片の作製と顕微鏡観察
Program Title (English) :Ultramicrosectioning and TEM observation
利用者名(日本語) :瀧健太郎1)
Username (English) :K. Taki1)
所属名(日本語) :1) 金沢大学理工研究域自然システム学系
Affiliation (English) :1) School of Natural system, Kanazawa University

1.概要(Summary )
高分子ブレンドフィルムは様々な用途に利用されており,その性能向上を図るためには高分子ブレンドフィルムの相模様(モルフォロジー)の詳細を知ることが必要である。
今回我々が対象として高分子は,ポリカーボネート(PC)とポリメチルメタクリレート(PMMA)と呼ばれる材料である。相模様を観察するために,ウルトラミクロトームを使用して超薄切片を作製し,染色後に,透過型電子顕微鏡で観察した。とくに染色方法について検討を行った。

2.実験(Experimental)
バルクの試料をトリミングナイフで小片にし,ウルトラミクロトーム(ライカ製)に設置した。また,ガラスナイフも設置した。ガラスナイフを所定の速度で動かして,試料を荒削りした。この時点で数ミクロンの切片が得られた。次に,ガラスナイフをクライオミクロトーム用のダイヤモンドナイフに変更し,50 nmの切片が得られるように,徐々に切片厚さの設定値を変更した。切片はダイヤモンドナイフ付属のボートに10 wt.%エタノール水溶液を満たしておきス面上に展開させた。それをマイクログリッド上に捕獲した。グリッドに捕獲した切片は,四酸化オスミニウム水溶液の蒸気と四酸化ルテニウムの蒸気にそれぞれ曝して染色した。切片は透過型電子顕微鏡(TEM,日立ハイテクノロジーズ社製 H-7650)にて観察した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
以上の操作により,2種類の溶液で染色した切片が得られた。それぞれTEMにより観察したところ,四酸化ルテニウムで染色した試料は明瞭なコントラストが得られた。これはPC内のベンゼン環が四酸化オスミニウムと反応しルテニウム原子がPC内に取り込まれたためであると考えられる。

4.その他・特記事項(Others)
なし。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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