課題番号 ：S-15-NU-0001
利用形態 ：機器利用
利用課題名（日本語） ：次世代型高性能高分子材料の開発
Program Title (English) ：Development of advanced high-performance polymers
利用者名（日本語） ：木村邦生
Username (English) ：K. Kimura
所属名（日本語） ：岡山大学大学院環境生命科学研究科
Affiliation (English) ：Graduate Scool of Environmental and Life Science, Okayama University

１．概要（Summary ）
フッ素原子の入った芳香族モノマーを貧溶媒中で重合するとポリマーの針状結晶が生成することを見出した。このポリマーは不溶不融性であり、化学構造確認をIRと固体NMRで行う必要がある。そこで、固体NMRによって、得られた針状結晶の化学構造を明らかにする。

２．実験（Experimental）
岡山大学にて試料を調製し、下記条件で固体NMRを測定した。
装置：Bruker Avance300(13C測定は75MHz)。
試料管：7mmローター(5950rpm)
測定温度：24℃
測定：CP/MAS法
　　　1Hパルス幅：4.5マイクロ秒、パワー：7.25dB
　　　コンタクトタイム：1.75ms
　　　取り込み時間：35ms
繰り返し待ち時間：4s

３．結果と考察（Results and Discussion）
　測定の結果、目的としているポリ（4-オキシ-2,5-ジフルオロベンゾイル）であることが分かった(図1)。試料回転数を変えて目的シグナルとスピニングサイドバンドを区別することにより、７種存在する炭素原子の1個は、114ppmのシグナルのショルダーとして112.5ppmに存在するものと考えられた。その他のWAXSやTEMSAEDにより、分子鎖が針状結晶の長軸方向に配向したウィスカーであることを明らかにすることができた。

図1．固体NMR測定結果

４．その他・特記事項（Others）
本測定にあたっては、坂口佳充先生、林育生氏のご支援を頂いた。

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
なし。

６．関連特許（Patent）
なし。