利用報告書
課題番号 :S-18-KU-0063
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :水電解用イリジウム触媒の合成
Program Title (English) :Synthesis of Iridium Catalyst for Water Electrolyzer
利用者名(日本語) :松本 広重
Username (English) :Hiroshige MATSUMOTO
所属名(日本語) :九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
Affiliation (English) :International Institute for Carbon-Neutral Energy Research (WPI-I2CNER), Kyushu University
1.概要(Summary )
地球温暖化が顕在化している現在、温室効果ガスの排出抑制が急務であり、再生可能エネルギーの利用 割合の向上が必要である。利用の拡大が期待される太陽光、風力を使う際の課題は、電力需要とのずれで あり、その解決のためには、大容量かつ安価な電力貯蔵技術の開発が必須となる。本研究では、可逆作動型燃料電池-水電解セルと水素吸蔵材料を組み合わせた新規電気化学エネルギー貯蔵デバイスの開発に取り組む。オーストラリア RMIT 大学が有する「プロトン・フロー電池」のコンセプトを基礎として、九州大学 が有する「新規電気化学セル」、「水素吸蔵材料」、「高耐久性、非貴金属系電極」を適用することにより、性能と信頼性の高い電力貯蔵デバイスの創製を目指す。水電解触媒として九州大学で開発したイリジウム担持カーボンナノチューブ(MWNT/PBI/Ir)を用いる。
2.実験(Experimental)
利用装置:透過型電子顕微鏡システム・合成
MWNT (15 mg) とPBI (5 mg) をジメチルアセトアミド (DMAc) 溶液に1時間超音波処理後、濾過洗浄し、乾燥後黒色の固体 (MWNT/PBI) を得た。このうち10mgを60%エチレングリコール (EG) 水溶液中でIrCl3 xH2O (3.9 mg) と140 ˚Cで6時間反応させることにより黒色の固体 (MWNT/PBI/Ir) を得た(収量10.4g)。
3.結果と考察(Results and Discussion)
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1.MWNT/PBI/IrのTEM像
図1のTEM像から明らかのように、非常に直径1nm程度の粒径のそろったイリジウムナノ粒子が高分散に担持されていることが確認できた。今後、プロトンフロー電池の水電解触媒としての性能評価に用いる。
4.その他・特記事項(Others)
TEM測定、PBI被覆カーボンブラックの合成および白金担持触媒合成は九州大学ナノテクプラットフォームの柿田有理子氏と井手奈都子氏に実施頂いた。ここに謝意を示す。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
該当なし
6.関連特許(Patent)
該当なし