課題番号                ：S-18-SH-0001

利用形態                ：共同研究型

利用課題名（日本語）    ：炭素材料中への微細空間の創製とこれを利用した化学的応用を目指した機能性材料の

組織・構造解析

Program Title (English) ：The innovation of nano spaces in the carbon materials and, textural and structural analysis

of functional materials for chemical application

利用者名（日本語）      ：押田京一

Username (English)     ：K. Oshida

所属名（日本語）        ：独立行政法人国立高等専門学校機構 長野工業高等専門学校 電子情報工学科

Affiliation (English) ：Electronics and Computer Science, National institute of Technology, Nagano College

１．概要（Summary ）

本研究は、電界紡糸より得たナノファイバー内の微細空間やファイバー間にシリコン（Si）を混合した機能性炭素材料を作成し、微細空間を制御した機能性炭素材料を作製し、高性能蓄電デバイスの電極開発につなげることを目的としている。

超音波振動を紡糸時に加えることにより、シリコンをよく混入したカーボンナノファイバーを作製することができた。この資料を用いてリチウムイオン電池（LIB）の負極を構成し、充放電実験により、その性能を調べた。

２．実験（Experimental）

　アルコール中で粒径100nm程度に粉砕したSi微粒子の表面を炭素で被覆して酸化による劣化を防いだSi粒子を用いた¹⁾。

N,N-dimethylformamide（DMF）にpolyacrylo- nitrile（PAN）、Tetraethoxysilane（TEOS）および Si微粒子を混合した溶液を用い、超音波振動を与えながら電界紡糸した。作製した試料を炭素化し、走査電子顕微鏡（SEM）で形状を観察し、ダブルCsコレクタ透過電子顕微鏡（TEM、本申請装置）により、CNFの構造を解析した。この材料で負極を形成し、対極にLi 箔を用いてコインセルに収め，リチウムイオン二次電池（LIB）用負極材料の充放電実験を行った。

３．結果と考察（Results and Discussion）

図1に示すように、超音波を電界紡糸時に与えることで、様々なサイズのSi粒子を担持したナノファイバーを作製することができた。

作製した試料を炭素化してLIB負極の充放電実験を行うことができた。LIBの実用化のためには、第1サイクルでの不可逆容量を抑える必要がある。今後は、Si粒子の割合を増やし、その効果を高めたい。

４．その他・特記事項（Others）

1) 参考文献: N. Kobayashi, Y. Inden, M. Endo, Journal of Power Sources, 326 (15) (2016), pp. 235-241.

本研究は、長野工業高等専門学校 滝沢善洋講師を共同研究者として、また、信州大学学術研究院 林卓哉教授、竹内健司准教授、藤重雅嗣准教授の支援を受け遂行しました。謝意を表します。

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）

(1) T. Minamisawa, K. Oshida, et al., C Journal of Carbon Research, C, Vol. 4 (2018), 23, https://doi.org/10.3390 /c4020023.

(2) K. Oshida, T. Minamisawa, A. Ando, N. Kobayashi, D. Misawa, T. Itaya, K. Osawa, M. Murata, M. Moriyama, T. Hata, Carbon 2018, 2018年7月3日.

６．関連特許（Patent）

なし