利用報告書

炭素系材料の解析
柳澤 隆
GSIクレオス株式会社

課題番号 :S-16-SH-0002
利用形態 :共同研究型
利用課題名(日本語) :炭素系材料の解析
Program Title (English) :Analysis of carbon materials
利用者名(日本語)  :柳澤 隆
Username (English) : T.Yanagisawa
所属名(日本語) :GSIクレオス株式会社
Affiliation (English) :GSI Creos, Co., Ltd.

1.概要(Summary )
燃料電池向け電極の触媒担持体として期待できるカップ積層型カーボンナノチューブにおいて課題とされている触媒の肥大化に対して樹脂処理したうえでの熱処理によって肥大化を抑制できるか観察と、それを抑制する手段の検討を行った。

2.実験(Experimental)
触媒担持されたカップ積層型カーボンナノチューブに樹脂処理をしたうえで電気炉にて不活性ガスを流しながら300,500,1000℃で30分間熱処理した。高分解能電子顕微鏡観察試料はTEMグリッドに粉末を載せ、余分をブロアーにて吹き飛ばしたものを使用した。電子顕微鏡は日本電子JEM-2100FにCEOS社の収差補正装置を装備したものを使用し、加速電圧は80kVであった。試料によってはEDS,EELSを取得した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
カップ積層型カーボンナノチューブの表面処理を変更することで熱処理による凝集を抑制することができることが明らかになった。また、天然由来の樹脂を被膜材料に使用することで1000℃の熱処理においても粒径の肥大化を抑制できることを明らかにした。(図参照)
被膜材料が触媒粒子を保護して効果的に肥大を抑制したことが明らかになった。

4.その他・特記事項(Others)
サンプル処理およびその観察において林卓哉教授の協力をいただいた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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