利用報告書
課題番号 :S-19-NU-0027
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :生物由来アパタイトの焼成温度による物性変化
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :町野史弥 1)
Username (English) :M. Fumiya1)
所属名(日本語) :1) 中京大学工学部機械システム工学科
Affiliation (English) :1) ChukyoUniversity
- 概要(Summary )
鮭の骨(生物由来HAp)を管状電気炉を用いて窒素雰囲気中で600oCにて焼成し,試料を作製した.
魚の骨等は通常はタンパク質,コラーゲン等の有機物を含有している.したがって,適切な条件で焼成することで,有機物を炭素化すればアパタイトと自然由来炭素化合物の複合材料を得られるのではないかと考え,窒素雰囲気中で焼成した鮭の骨の評価を行うため蛍光X線分析装置 (EDXL300;リガク社製) による元素分析,フーリエ変換赤外分光装置 (FT-IR-680 Plus, JASCO社製) による官能基の定性分析を依頼した.
2.実験(Experimental)
窒素雰囲気中で600oC焼成した生物由来HAp,1 gをプロレンフィルムを底面に張ったポリエチレン試料容器に入れ,蛍光X線分析装置 (EDXL300;リガク社製) による構成元素の定性分析を行った.
窒素雰囲気中で600oC焼成した生物由来HAp,1 gをフーリエ変換型赤外分光装置 (FT-IR-680 Plus, JASCO社製) を用いて酸性官能基の定性分析を行った.
3.結果と考察(Results and Discussion)
カルシウム,リン等が確認できた.このことから,窒素雰囲気中で焼成を行ってもHApが析出していると考えられる.
1260~1000cm-1付近の赤外吸収ピーク,1700cm-1付近の赤外吸収ピーク,3300cm-1付近の赤外吸収ピークが確認できた.このことから,窒素雰囲気中で600oCにて焼成を行った生物由来HApは官能基を有していることが分かった.
Fig.1 窒素雰囲気中で600oC焼成した生物由来HApの
蛍光X線分析結果.
Fig.2 窒素雰囲気中で600oC焼成した生物由来HApの
フーリエ変換赤外分光装置による測定結果.
4.その他・特記事項(Others)
蛍光X線分析装置,フーリエ変換型赤外分光装置による測定は,名古屋大学分子・物質合成プラットフォームの方々に実施いただいた.
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし