利用報告書

石油精製試料における詳細分析手法の開発とその評価
片野 恵太,佐藤 浩一
(一財)石油エネルギー技術センター

課題番号 :S-17-JI-0046
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :石油精製試料における詳細分析手法の開発とその評価
Program Title (English) :Development and evaluation of detailed analysis methods for refining samples
利用者名(日本語) :片野 恵太,佐藤 浩一
Username (English) :K. Katano, K. Sato
所属名(日本語) :(一財)石油エネルギー技術センター
Affiliation (English) :Japan Petroleum Energy Center(JPEC)

1.概要(Summary )
弊センターでは、重質油の有効利用の観点より、常圧残渣油の水素化脱硫反応前後での詳細構造解析技術を開発すべく、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FT-ICR MS)を用いた測定・解析を行っている。その精度の検証を行う目的で、北陸先端科学技術大学院大学所有のFT-ICR MS装置にてサンプルを測定した。

2.実験(Experimental)
分析サンプルは、原油を常圧蒸留した後の残渣油である。詳細構造解析用装置として、FT-ICR MS(Solarix 9.4T)を用いた。イオン化法としては、APPIならびにLDI法を用いた。得られた測定データについては、弊所の解析ソフトを用い構造同定を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
常圧残渣油をAPPI法で測定した結果、低分子量成分の多いサンプル(サンプルA)に比べ、高分子量成分および芳香環数の多いサンプル(サンプルB)は、検出感度が低く、ピーク数も少ない傾向であった。そこでサンプルBにおいてはより検出感度の向上が期待されるLDI法にて分析を試みている。以上の結果は弊センターでの測定結果と同様な傾向であるが、引き続き測定条件の影響など詳細な精度を検証していく予定である。

図1.サンプルAのFT-ICR MSスペクトル(APPI)

図2.サンプルBのFT-ICR MSスペクトル(APPI)

4.その他・特記事項(Others)
FT-ICR MS測定は北陸先端科学技術大学院大学の大坂一生博士と宮里朗夫博士に行っていただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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