利用報告書
課題番号 :S-16-MS-3002
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :神経細胞ネットワークハイスループットスクリーニング装置用基板製作
Program Title (English) :Fabrication of sensor chip for neuronal network high throughput screening
devices.
利用者名(日本語) :王 志宏、宇野秀隆、 栗田裕子、 宇理須恒雄
Username (English) :Zhi-hong Wang, Hidetaka Uno, Yuko Kurita, Tsuneo Urisu
所属名(日本語) :名古屋大学未来社会創造機構、
Affiliation (English) :Nagoya University, Institute for Innovation of Future Society
1.概要(Summary )
プレーナーパッチクランンプ基板はシール抵抗が高いほど雑音を小さくできるので、微細貫通穴の径や形状を制御することが望まれる。 これまで開発を進めた基板は微細貫通穴の径が約3.5μmであった。 今回の申請では、この寸法を2 – 2.5μmにし、シール抵抗や雑音が低減できるかなどを調べることとした。
具体的には装置開発の高田技術職員の指導の下、これまではAZ1500レジストパタンをボッシュプロセスのマスクとしていたものを、新たにCr薄膜をマスクとする工程を開発した。、
2.実験(Experimental)
あらかじめCr薄膜(~t=0.1μm)を堆積したSi(SOI)基板を分子研に持参し、クリーンルームのウエットプロセス設備を利用し、クリーニングし、AZ1350ポジ型フォトレジストをスピンコート(~t=0.1μm)したのち、マスクレス露光装置により微細貫通孔のパタンを露光現像した。その後、Crのエッチング液を用いてエッチングしパタン形状をSEMで観察した。 この基板を名古屋大学に持ち帰り、形成したCrパタンをエッチングマスクとしてボッシュプロセスによりエッチングを行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
2 – 2.5μmのパターンニングは通常装備のマスクレス露光装置の微細限界に近い。 AZ1350レジストのパタンの径1.7μm(オリンパス光学顕微鏡)において、クロミウムエッチャント(SIGMA-ALDRICH)を用いてCrのパタンを形成し、これによりボッシュプロセスで 微細貫通孔を形成した。(図1)
4.その他・特記事項(Others)
2 – 2.5μmのパタン形成が、現在装置開発室に設置されているマスクレス露光装置の微細限界と思われる。
この製造販売会社である、(株)ナノシステムソリューションに問い合わせたところ、高精細露光用の(レンズなど)部品を取り付けるとサブミクロンレベルのパタン形成が可能とのことでした。予算が可能であれば、この
高精細露光部品を装備していただけると、さらに微細パタン形成を大気中でできるので興味深い。
なお、本申請の作業においては、装置開発室の技術職員の、近藤聖彦氏、高田紀子氏、中野路子氏には大変お世話になり感謝いたします。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 宇野 秀隆 他5名、第64回応用物理学会春季学術講演会、平成29年3月16日、
(2)T.Urisu 他5名、BIT’s 5th Annual Conference of AnalytiX-2017、平成29年3月22日。
6.関連特許(Patent)
(1) 宇理須恒雄、ワンツーホン、長岡靖崇、西藤美穂, “神経細胞ネットワークの形成およびその利用並びに神経細胞播種デバイス” 出願番号PCT/JP2013/57976、登録査定。







