課題番号 ：S-17-NM-0005
利用形態 ：技術代行
利用課題名（日本語） ：網羅的プロテオーム解析を用いた膵嚢胞性腫瘍の新規良悪性診断法の開発
Program Title (English) ：Development of a novel method for detecting malignant transformation in IPMN using proteomic analysis.
利用者名（日本語） ：松下浩志
Username (English) ：Hiroshi Matsushita
所属名（日本語） ：岡山大学大学院医歯薬学総合研究科　消化器肝臓内科学講座
Affiliation (English) ：Department of Gastroenterology and Hepatology, Okayama University

１．概要（Summary）
　膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm: IPMN)の切除標本から回収した良性部と悪性部を用いて、それぞれショトガンプロテオーム解析を行い、悪性の候補マーカーの抽出を行う。さらに、抽出した候補マーカーの検証として、ターゲットプロテオーム解析を行い、悪性マーカーの同定を試みる。　
２．実験（Experimental）
【利用した主な装置】
 LC-MS装置 (LC部: ADVANCE UHPLC, Brucker製　MS部： Q-Exactive, Thermo Fisher製)
【実験方法】
　手術で摘出されたIPMN症例のホルマリン固定パラフィン包埋組織サンプルから病変の良性・悪性部位をそれぞれlaser microdissectionを使用し回収、ペプチド抽出を行ったサンプル( ここ迄岡山大学にて施行)を、LC-MS装置を用いて解析する。サンプルをLC-MS装置に注入、得られたデータをタンパク質解析ソフトウェア(Proteome Discoverer2.0)を用いて、MASCOT(データベースはSwiss Protを使用)によるタンパク質同定を実施した。まず、条件設定のため、凍結乾燥サンプルにTFA-A(0.1%TFA, 2% Acetonitrile/DW)を20µL入れて溶解、4℃、13,500rpm、10分間遠心し、その上清を 、以下のLC-MS用サンプル`原液`とし、以下の8条件(溶液種類、グラジエント時間、インジェクト量を分けて検討)にて分析を行った。
Condition 1. 原液、20分、0.2µL
Condition 2. 原液、100分、1.0µL
Condition 3. 原液、200分、1.0µL
Condition 4. 原液、400分、1.0µL
Condition 5. 2倍希釈、20分、0.2µL
Condition 6. 2倍希釈、100分、1.0µL
Condition 7. 2倍希釈、200分、1.0µL
Condition 8. 2倍希釈、400分、1.0µL
３．結果と考察 （Results and Discussion）
結果
The number of detected Proteins
Sample name Total number
of detected protein The number of detected protein (MASCOT score > 0)
Condition 1 1728 891
Condition 2 3647 1498
Condition 3 4148 1514
Condition 4 4186 1445
Condition 5 1542 751
Condition 6 2982 1197
Condition 7 3210 1167
Condition 8 2748 1004
考察
今回の検討では、Condition 2.で最も効率よく分析が進められることが判明した。今後、実験を進めるよていである。
４．その他・特記事項（Others）
資金；科研費(若手研究B、2016-04-01−2018-03-31)
課題名；網羅的プロテオーム解析を用いたIPMNの新規両悪性診断法の開発
謝辞；NIMS分子・物質プラットフォーム 服部晋也先生には解析に加えて、実験をすすめる上で多くの御助言を頂き、感謝いたします。
５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
なし
６．関連特許（Patent）
なし