利用報告書
課題番号 : S-20-KU-0037
利用形態 : 共同研究
利用課題名(日本語) : 薬剤の表面改変
Program Title (English) : Development of drug’s surface
利用者名(日本語) : 渡邉 貞佳、 堀江 賢一
Username (English) : S. Watanabe, K. Horie
所属名(日本語) : 富田製薬株式会社
Affiliation (English) : Tomita Pharmaceutical Co.,Ltd.
1.概要(Summary )
医薬品、医薬部外品、化粧品、工業薬品、食品添加物の性能、品質の理解において表面形状の観察は重要である。表面形状の観察において走査型電子顕微鏡による観察は表面の凹凸のみならず含有元素の分布の分析も可能であることから、特に有用であることが知られている。近年では電子顕微鏡技術の進歩により、低加速電圧での観察も可能となり、無機金属のみならず、医薬品のような低分子・高分子有機分子の観察も可能になり、汎用性が広がった。これまで市販されている粉体の形状観察から、他のデータとの相関を解析することで、さらに有効な医薬・化粧品・工業薬品・食品添加物の開発を目指している。
2.実験(Experimental)
市販の2種類の炭素粉体(球状炭素、カーボンブラック)に賦活化を施し、表面状態を電子顕微鏡(SU9000,日立ハイテクノロジーズ)で加速電圧30kVにて観察を行った。賦活を行った後の炭素粉末は250℃、12時間真空乾燥して観察に用いた。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1.賦活化した球状炭素の電子顕微鏡像
図2.賦活化したカーボンブラックの電子顕微鏡像
賦活化した球状炭素とカーボンブラックの電子顕微鏡像を図1,2にそれぞれ示した。電子顕微鏡観察から、賦活化により表面に数ミクロン程度の穴が開いていることが明らかとなった。ガス吸着測定等から比表面積を調べることで、さらなる表面特性への影響が明らかになることが期待できる。引き続き、他の材料にも観察範囲を広げて表面形状と物性の相関を調査する。
4.その他・特記事項(Others)
電子顕微鏡観察はナノテクプラットフォームテクニカルスタッフの荒谷弘幸氏に実施頂いた。ここに謝意を示す。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし