利用報告書

薬用成分を塗布した生体組織(動物皮膚)中の薬物濃度分布の測定
宅見信哉, 倉光祥平 , 長谷川友美(小林製薬株式会社)

課題番号 :S-19-OS-0034
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :薬用成分を塗布した生体組織(動物皮膚)中の薬物濃度分布の測定
Program Title (English) :Evaluation of drug distribution in biological tissues of animal skin by drug application
利用者名(日本語) :宅見信哉, 倉光祥平 , 長谷川友美
Username (English) :S. Takumi, S. Kuramitsu, T Hasegawa
所属名(日本語) :小林製薬株式会社
Affiliation (English) :KOBAYASHI Pharmaceutical Co.,Ltd.

1.概要(Summary )
薬物の生体組織への浸透は、薬物配合製剤の作用性能を発揮する点で重要である。一般に浸透評価は、フランツ型拡散セルを用いて評価することが多いが、近年技術向上により、その他の光学的手法による評価法の可能性を検討した。今回、大阪大学ナノテクノロジープラットフォームの装置(レーザーラマン顕微鏡)を利用して、薬剤分布の測定を行った。

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
S01レーザーラマン顕微鏡

【実験方法】
上記装置を用いて、薬剤を塗布した生体組織切片中から薬剤の分布を検出した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
皮膚組織、薬剤を塗布した皮膚組織において切片を作製し、レーザーラマン顕微鏡にて評価を行った。ラマンスペクトルを解析し、皮膚組織には存在しない、薬剤由来のスペクトルを確認した後に、その波長のイメージングを行った。その結果、ラマンイメージングにより、皮膚切片の浸透深さ方向における薬剤分布を可視化し、浸透性を評価することが可能となった。Fig.1は薬剤由来スペクトルをカラーにてイメージングした結果である。
今後、さらなる解析を進め、薬剤中の各成分のスペクトルを特定し、特定成分の浸透評価を行う予定である。

(b)

Fig.1 皮膚組織のラマン顕微鏡画像
(a)薬剤塗布皮膚切片画像(b)皮膚切片画像

4.その他・特記事項(Others)
装置使用方法に関してご説明アドバイスいただいた大阪大学分子・物質合成プラットフォームの支援員の皆様に感謝申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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