利用報告書

製造工程からの排出物の精密分析
夛田量宏1)
1) 北海道曹達株式会社

課題番号 :C-16-CT-0075
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :製造工程からの排出物の精密分析
Program Title (English) :Precision analysis of emissions from manufacturing processes
利用者名(日本語) :夛田量宏1)
Username (English) :K. Tada1)
所属名(日本語) :1) 北海道曹達株式会社
Affiliation (English) :1) Hokkaido Soda Co., Ltd.

1.概要(Summary)
弊社の各製品の製造工程では様々な廃出物もしくは異物が出てくる。例としてフィルタープレスやトーセルフィルターのろ過残渣などが挙げられる。
異物の電子顕微鏡による観察と元素分析を行った。
2.実験(Experimental)
弊社の製造ライン中のフィルターに捕集された異物の分析を行った。現場でサンプリングされた異物を洗浄、乾燥しサンプルとした。異物は黒い塊でゴムの様なものと考えられ、異物の元と推定される材料を比較サンプルとして準備した。それぞれを千歳科学技術大学の電解放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM、日本電子JSM-7800F)を用いて表面観察と元素分を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1に示す異物のSEM像を見ると繊維状のものが確認できる。図2にグランドパッキンのSEM像を示す。異物と同様の繊維が確認できる。
次に両者の元素分析の結果(図3、4)を比較すると良い一致が見られた。したがってこの異物はグランドパッキンの摩耗したものがフィルターに溜まったものと考えられる。

図1 異物のSEM像

図2 グランドパッキンのSEM像

図3 異物のEDSスペクトル

図4 グランドパッキンのEDSスペクトル

4.その他・特記事項(Others)
本課題は千歳科学技術大学の大越研人先生との共同研究のもとで行われた。またFE-SEMの利用にあたり千歳科学技術大学ナノテクノロジープラットフォームの河野敬一先生、山崎郁乃技術員にお世話になりました。関係各位に御礼申し上げます。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。

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