利用報告書
課題番号 :S-15-JI-0009
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :複合有機金属錯体の質量分析・解析
Program Title (English) :Mass Spectrometry of Organometallic Complexs
利用者名(日本語) :政広 泰, 谷内 淳一,小林 瑠美
Username (English) :Y. Masahiro,J. Taniuchi,R. Kobayashi
所属名(日本語) :田中貴金属工業株式会社 新事業カンパニー
Affiliation (English) :TANAKA KIKINZOKU KOGYO K.K.
1.概要(Summary )
新規に合成した有機金属錯体(イリジウム錯体)は、これまでの分析結果より、複数のイリジウム金属が連結した複核有機金属錯体であることが示唆されている。そこで、イリジウム金属がどの程度連結した複核有機金属錯体であるかといった構造同定の可能性を検討する目的で、MALDI-TOFTOF分析を実施した。
2.実験(Experimental)
装置名:MALDI-TOFTOF(Ultraflextreme)
Mode: Positive ion mode
Matrix: DHB 10mg/mL MeOH溶液を1μL滴下
Sample: 0.1mg/mL MeOH溶液を1μL滴下
測定したサンプルは、単核であるイリジウム錯体をリファレンスとして、複核イリジウム錯体をカラム精製後のフラグメントごとに、3種類のサンプルで実験を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
単核であるイリジウム錯体の解析では、H+、Na+、K+の付加体及びラジカルカチオンの構造が検出された。今回検出されたラジカルカチオンは構造的にもラジカルにはなりにくく、疑問が残る結果となった。
また、MALDI-TOFTOF分析により、カラム精製後の後の方のフラグメントサンプルほど、大きな分子量が観察され、イリジウムを含む2核以上のイリジウム錯体が示唆された。
イリジウム錯体そのものの安定性が低いことが想定される。おそらく、不純物として含有する物質よる単核イリジウム錯体及び複核イリジウム錯体の分解等も想定されたそのため、MALDI-TOFTOF法による構造同定は困難であった。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







