利用報告書

褐藻類成分の消長に関する検討
金谷裕敏

課題番号                :S-20-NM-0014

利用形態                :機器利用(技術代行)

利用課題名(日本語)    :褐藻類成分の消長に関する検討

Program Title (English) : Study on the variation of the components in the processing of brown algae.

利用者名(日本語)      :金谷裕敏

Username (English)     :Hirotoshi Kanatani)

所属名(日本語)        :株式会社バスクリン

Affiliation (English)  :BATHCLIN CORPORATION

 

 

1.概要(Summary )

多くの褐藻類は、生での保存が困難なことから、収穫後に種々の工程を経て乾燥されて市場に供給されている。

今回は、これら褐藻類の乾燥加工工程における成分変動を確認する目的で、その分析のために必須となる化合物を褐藻類より単離精製し、それらの化合物の同定を行った。

 

2.実験(Experimental)

粉砕した褐藻類(乾燥物)を80%エタノール溶液にて2日間、室温抽出した。得られた抽出液を減圧下で濃縮し、脱塩のために酢酸エチルで分配した。さらに、シリカゲル並びにSephadex LH-20カラムクロマトグラフィーを用いて分離精製し、最終的にはODSカラムを用いた分取HPLCにて橙赤色等の化合物を得た。

単離した本化合物をCDCl3に溶解し、H-NMRと13C-NMRスペクトルを測定した。

 

利用装置:

NMR(ECS-400)

日本電子㈱製

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

カットわかめより単離精製した橙赤色化合物のH-NMRと13C-NMRスペクトルを測定したところ、本化合物は、文献記載の機器データとの比較により、fucoxanthinであると同定された。

 

4.その他・特記事項(Others)

参考文献

Renata Spagolla Napoleão Tavares, et.al., Antioxidants, 9, 328-344( 2020).

NMRでの測定にあたってはNIMSの服部氏、李潔氏、小原里美氏の支援を受けた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし。

 

6.関連特許(Patent)

なし。

 

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