利用報告書

貝殻焼成物が持つ機能性の発現機構解明
田中 陽一
株式会社J-STYLE

課題番号                :S-18-NU-0035

利用形態                :技術代行

利用課題名(日本語)    :貝殻焼成物が持つ機能性の発現機構解明

Program Title (English) :Study on Functionality of Calcined Seashell

利用者名(日本語)      :田中 陽一

Username (English)     :Y. Tanaka

所属名(日本語)        :株式会社J-STYLE

Affiliation (English)  :J-STLE CO., LTD

 

 

1.概要(Summary )

抗菌作用を有する貝殻焼成物は、無味無臭であり漂白作用もないことから食品や作業環境に影響が少ない抗菌材料として期待できる。抗菌作用の有効性は確認されているが、温度による抗菌力の違いが何故生じるか、水溶液として使用する場合には炭酸カルシウムへの変化による析出物の生成の抑制法の創出など、化合物の基礎特性に基づいた取組により、さらに良い製品を作り上げていけるものと考えている。

 

 

2.実験(Experimental)

酸化カルシウム、水酸化カルシウムについて、溶解挙動、炭酸化を含めた空気中での変化、アルコール混合による析出物生成等を追跡することにした。化合物の同定には赤外吸収スペクトルを使用した。

 

測定機器

FT-IR:JASCO社製 Ft-IR-680 Plus

 

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

酸化カルシウム、水酸化カルシウムが空気中において炭酸カルシウムへ変化していく挙動についての報告例は少ない。また、エタノールを共存させることで酸化カルシウムへの変化速度に違いが出るかについても興味が持てる点であった。このため、酸化カルシウム、水酸化カルシウムとエタノールとの反応によるエトキシド生成をふくめ、空気中でのカルシウム化合物の変化の様子を捉えることを目標とした。

本取り組みを進めるにあたり、カルシウム化合物の変化は赤外スペクトルで追跡することを試みた。年度末からの開始のため、酸化カルシウムと水酸化カルシウムのスペクトルの差は小さいこと(図1)、室温でエタノールと接触させてもエトキシド化は進行しにくいことなどの確認をしたところであるが、今後評価を本格化する予定をしている。

 

図1.酸化カルシウムおよび水酸化カルシウムのIRス

ペクトル

 

 

4.その他・特記事項(Others)

本利用にあたっては、あいち産業振興機構・松山豊様のご尽力をいただいた。名古屋大学分子・物質合成プラットフォームでの取組においては、坂口佳充特任教授、技術支援員・伊藤始氏の支援をいただいた。

 

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし

 

 

6.関連特許(Patent)

なし

 

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