利用報告書
課題番号 :S-18-JI-0053
利用形態 :技術代行支援(質量イメージング依頼測定)。
利用課題名(日本語) :質量イメージングによるAGEs/RAGEシグナルに関連した歯髄内石灰化機構の解明
Program Title (English) :Elucidation of the role of AGEs/RAGE signaling in dental pulp calcification by imaging mass spectrometry.
利用者名(日本語) :三浦治郎, 清水真人
Username (English) :J.Miura, M.Shimizu
所属名(日本語) :大阪大学大学院歯学研究科
Affiliation (English) :Osaka unibersity graduate school of dentistry.
1.概要(Summary )
糖は生体にとってエネルギー源として不可欠なものであるが、生理条件下でタンパク質と結合し不可逆的に糖化最終産物(Advanced Glycation End products: AGEs)を生成し、歯や骨の脆弱化、皮膚や血管の硬化などに身体の至るところに影響を及ぼすと考えられている。特に糖尿病患者には頻繁に歯髄内結石がみられることがあり、AGEsを起点としRAGE(Receptor for AGEs)を介したシグナル伝達によって石灰化が生じていると考えられている。質量イメージングによってAGEs局在状況を調べAGEsによる象牙質コラーゲンに及ぼす影響や歯髄内結石のメカニズムを、解明することを目的とする。
2.実験(Experimental)
ラット臼歯部を含む薄層切片を電導性ガラスプレート上に固定しBruker社製ImagePrepで試料表面に均一にマトリックス(CHCA)溶液を塗布しBruker-FT-ICR-MS: SolariX にて解析を行った。AGEsの中でもペントシジン([M]= 378.2010)を中心に解析を進めた。
3.結果と考察(Results and Discussion)
今回の切片における試料では2型糖尿病モデルラット(Fatty rat)の臼歯においてコントロールの野生型ラットに比べ、ペントシジンは多く検出できたものの特徴的な分布を捉えることはできなかった(図1、図2)。また歯髄内石灰化が起こっている領域に特徴的な分子を捉えることもできなかった。一つにはペントシジンが分子間で架橋を形成することによってMALDIで検出しにくくなること。また試料が脱灰固定化した試料であったため固定化によりイオン化しにくくなっていることがあげられる。今後、精製したコラーゲンを糖化し生成されたペントシジンの検出条件を検討し、また凍結切片等、固定化しない試料にを用いることで糖化、石灰化につながる分子の検出をおこなっていく。
図1)2型糖尿病モデルラット(Fatty rat)の臼歯におけるペントシジンの分布状態(赤で示す)
図2)野生型ラットの臼歯におけるペントシジンの分布状態(赤で示す)。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







