利用報告書

超長綿、フェザーコットン®(コットン糸)のルーメンの観察
藤井誓子
株式会社染谷商店

課題番号 :S-15-JI-0013
利用形態 :コットン糸の断面図の顕微鏡写真撮影
利用課題名(日本語) :超長綿、フェザーコットン®(コットン糸)のルーメンの観察
Program Title (English) :Observation of a lumen of extra-long staple cotton, Feather Cotton®
利用者名(日本語) :藤井誓子
Username (English) :Seiko FUJII
所属名(日本語) :株式会社染谷商店
Affiliation (English) :Someya co., Ltd

1.概要(Summary )
弊社がブランド化して販売している生地に利用していうる糸の断面図を撮影し、長繊維高級コットン独特のルーメンの存在を証明する。
(セールストークでは、手摘みの綿であるため、繊維がダメージを受けておらず、紡績後においてもルーメンが破壊されず、軽く、夏は空気を通し、冬は空気を含んでいるのでふんわりと温かい、と言っていたものの、実証するデータが存在しなかったため。)

2.実験(Experimental)
通常の糸とフェザーコットン®を試料として、次の観察を行い比較した。
・光学顕微鏡による側面の観察
・光学顕微鏡による断面の観察
・走査型電子顕微鏡による断面の観察

断面観察のための試料の前処理は次の手順で行った。
1)試料をエタノールに5分間浸す。
2)続いて試料とナイフを液化窒素に5分間浸す。
3)液化窒素中において試料をナイフで割断する。

走査型電子顕微鏡による観察は、日立S-5200を用い、加速電圧10kV, エミッション電流10μAの条件下で行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
図1から図3に観察結果を示す。普通の糸のルーメンはつぶれて密着しているのに対し、フェザーコットン®ではルーメンが開口している様子が観察された。

図1.光学顕微鏡による側面の写真。上段がフェザーコットン®。

図2.光学顕微鏡による断面の写真。上段がフェザーコットン®。

図3.走査型電子顕微鏡による断面の写真。上段がフェザーコットン®。

4.その他・特記事項(Others)
コットン糸は、環状構造の第一次細胞膜(外側、~0.1μm)とらせん構造の第二次細胞膜(内側、~4μm)からなり、ルーメン(内腔)とよばれる中空構造を有している。(図4)

図4.ルーメンの概念図

ルーメンが上手く撮影されており、以降商品プレゼンに使っています。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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