利用報告書

造粒化ナノチューブの構造観察
山本 宏史1), 折田 直樹2)
1) , 2) 三菱商事株式会社

課題番号 :S-19-KU-0010
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :造粒化ナノチューブの構造観察
Program Title (English) :Observation on structure of granulated Carbon Nanotube
利用者名(日本語) :山本 宏史1), 折田 直樹2)
Username (English) :H.Yamamoto1), N.Orita2)
所属名(日本語) :1) , 2) 三菱商事株式会社
Affiliation (English) :1) , 2) Mitsubishi Corporation

1.概要(Summary )
電気・電子分野、自動車、リチウムイオン電池などにおける需要が拡大しているCNTであるが、繊維状ナノ粉体という形態から、粉塵飛散対策が必要であり、樹脂・ゴム・溶媒などへの分散が難しい点が普及のネックとなっている。研究「カーボンナノチューブ造粒化の検討(S-18-KU-0042)」において、CNTと少量の樹脂成分が一体化した0.5〜2mm径の球状造粒物を得たが、この造粒物を観察することによって、造粒物の外部・内部構造が粉塵飛散防止性能、樹脂・ゴム・溶媒などへの分散性能を付与している。

2.実験(Experimental)
ラマン散乱スペクトル測定において、カーボン構造の検証を行った。また顕微鏡観察により外部構造の形態観察を行い飛散防止のための最適形状と内部構造と分散性の関連性を確認する。
利用装置 20-1 超高分解能走査電子顕微鏡

3.結果と考察(Results and Discussion)

図1.原料カーボンのラマンスペクトル例

 原料の候補となるカーボンのラマンスペクトルの例を図1に示した。樹脂混合前の状態のカーボンを測定している。グラファイト骨格に由来するGバンド(1600cm-1)とグラファイト骨格内のsp3炭素の存在を示唆するDバンド(1300cm-1)の存在が確認された。繰り返し再現性の良いうえに、少量のサンプルを短時間で測定できることから、本手法が原料となる炭素のスクリーニングに適切な評価手法であることが確認できた。実際に、3種類の様々なカーボンに対して同様の測定を行ったところ、それぞれに明確な違いがあり、原料の選定に有用であることが明らかになった。さらに熱重量減少測定やX線粉末回折測定とも合わせて結晶化度を総合的に評価することで、さらに知見が深まるため、今後実施する必要がある。
 これらの最適化した結果を樹脂混合実験にも反映させていく。

4.その他・特記事項(Others)
ラマン散乱測定は九州大学ナノテクプラットフォームの柿田有理子氏と荒谷弘幸氏に実施頂いた。ここに謝意を示す。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)

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