利用報告書
課題番号 :S-18-MS-0039
利用形態 :協力研究(ナノテクノロジープラットフォーム)
利用課題名(日本語) :酸化銅半導体層の電子物性と光電変換機能に関する研究
Program Title (English) :Study on the energy state and photovoltaic performance of copper oxide semiconductors
利用者名(日本語) :湖山貴之1),野崎晃太1) 伊﨑昌伸1)
Username (English) :T. Koyama1), K. Nozaki, M. Izaki1)
所属名(日本語) :1) 豊橋技術科学大学大学大学院工学研究科
Affiliation (English) :1) Toyohashi University of Technology
1.概要(Summary )
酸化銅(CuO,Cu2O)半導体は太陽電池光電変換層ならびに光電気化学水素生成用光カソードへの応用が進められている。これらの光電変換過程では、光照射によるキャリア生成とその輸送が大きく影響するが、特に異種物質であるn型半導体や水溶液界面をも含めた半導体材料・素子全体でのエネルギー接続は極めて重要な因子であり、酸化銅半導体の能力を発揮させるためには、その学理の構築は不可欠である。すでに、光カソードとして大きな光電流密度を実現しているが、その大きな要因である酸化銅半導体自体のエネルギー状態は明らかでない。そこで、本研究では、水溶液電気化学的に酸化銅半導体を形成し、その仕事関数を分子科学研究所が保有するケルビン振動容量法測定装置により評価し、XPSにより測定したEF-VBMのエネルギー差、光学的に評価したバンドギャップエネルギー、Mott-Schottkyプロットによって得られるフラットバンド電位から水溶液とのエネルギー接続状態を明らかにする。
2.実験(Experimental)
CuOは硫酸銅とアンモニアを含有する水溶液ならびにCu2Oは酢酸銅と乳酸を含有する水溶液から電気化学的にGZO/SLG基板上に形成した。このCuOならびにCu2O層の仕事関数を、平本研究室所有のケルビン振動容量法測定装置を使用して測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
仕事関数は、CuOで5.4eV、Cu2Oで5,0eVであり、従来報告値と一致し、製膜条件や加熱処理による変化も認められなかった。この結果は、上述の他の測定法からの結果とも整合しており、バンド構造を考察する上で重要な知見となった。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし