利用報告書
課題番号 :S-14-JI-0049
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :銅合金電線溶接による電極表面への合金成分の影響評価
Program Title (English) :Influence of copper alloy wire constituents to weld electrode surface
利用者名(日本語) :中山 智裕
Username (English) :Tomohiro Nakayama
所属名(日本語) :古河AS株式会社
Affiliation (English) :Furukawa Automotive Systems Inc.
1.概要(Summary )
弊社では複数の電線を抵抗溶接にて接続した製品を製造・販売している。合金電線(Cu-Sn合金)を溶接する際、純銅電線とは溶接結果が大きく異なることが問題になっている。原因解明の一環として合金成分に着目し分析を実施した。
2.実験(Experimental)
純銅電線を連続で溶接した電極(W)と純銅電線溶接後に合金電線を溶接した電極の溶接面を、X線光電子分光装置(XPS、AXIS-ULTRA DLD製)を用いて表面の元素ならびに結合状態について評価を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Fig. 1に両電極のSurvey測定結果を示す。両電極上に存在する元素について大きな差は見られない。そこで合金成分であるSnに関して詳細分析を実施した(Fig. 2)。Snの3d軌道の分析から合金電線溶接後の電極表面では、Snの化合物が付着していることが示唆される。本結果から、Sn合金電線溶接時は合金成分Snの化合物が電極表面に付着したため、溶接条件が異なると推定される。
Fig. 1 XPS spectra of electrodes surface.
Fig. 2 XPS spectra of Sn 3d peaks of electrodes surface.
4.その他・特記事項(Others)
XPS分析を実施していただいた、北陸先端科学技術大学院大学 ナノマテリアルテクノロジーセンター 技術職員の村上達也氏に紙面を借りて御礼申し上げます。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







