利用報告書
課題番号 :S-16-OS-0038
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :電子ビームリソグラフィを用いたナノロッドアレイターゲットの作製
Program Title (English) :Development of aligned nano-rod array with electron-beam lithography
利用者名(日本語) :八幡航大,大月崇史,羽原英明
Username (English) :K. Yahata, T. Ohtsuki, H. Habara
所属名(日本語) :大阪大学大学院工学研究科
Affiliation (English) :Graduate School of Engineering, Osaka University
1.概要(Summary)
一昨年度の利用にて、2次元回折格子であるシリコンナノピラーの作製に成功した。本年度は金属ナノワイヤの比較対象とするため、さらにワイヤ太さと間隔が小さいシリコンナノピラーを作製した。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
電子ビームリソグラフィ装置 (日本電子、JSM-6500F)
深掘りエッチング装置 (サムコ、RIE-400iPB-NP)
RFスパッタ装置 (サンユー電子、SVC-700LRF)
【実験方法】
まずプラズマクリーナーでSi ウエハー表面上に付着する汚れを除去し、続いてレシジストを塗布し、焼き固めを行った。次に電子ビームリソグラフィ装置を用いて300 µm × 300 µmの領域に電子ビームの照射を行った。照射パターンは直径と間隔が共に 0.1 µmまたは0.15 µmの円形のパターンを六方最密構造で配列するように作製した。
その後でパターンの現像を行い、低温のZED-N50にウエハーを 60 秒浸した。取り出したウエハー表面をブロワーでよく乾かした後にRF スパッタ装置を用いてCrの堆積を行った。さらにスパッタ後のウエハーをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF) 溶液に約半日浸しておくことで、レジストのリフトオフを行った。最後に深掘りエッチング装置を用いてCrを塗布していない部分を掘り進めることでナノピラー構造の作製を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Fig. 1は作製したナノワイヤターゲットの上面図、断面図であり、左からそれぞれ円形パターンの太さと間隔が0.1 μmと0.15 µmで作製したものである。当然ながらワイヤ間隔は正確に再現されている。ワイヤの高さはそれぞれ約2 μmであった。
(1) Surface view(100nm) (2) Sectional view(100nm)
(3) Surface view(150nm) (4) Sectional view(150nm)
Fig. 1 SEM images of nanopillar target
後日、作製したナノピラーターゲットに高強度レーザー照射実験を行い、高エネルギー粒子の生成効率が高まることを実験的に示すことに成功した。
4.その他・特記事項(Others)
・資金的なサポートはJSPSアジアコア「高強度フォトンを使う高エネルギー密度状態の科学」より行われ、本事業で作成した回折格子ターゲットをH27年11-12月にインド・タタ基礎科学研究所のG.R. Kumar教授らのグループと共同で実験を行い、当初予定していた成果を得ることができた。
関連する課題番号:F-16-OS-0017
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







