利用報告書

電子部品用機能性薄膜の開発
吉岡忠彦、堀内功(KOA株式会社 要素技術開発グループ)

課題番号 :S-20-SH-0004
利用形態 :共同研究型支援
利用課題名(日本語) :電子部品用機能性薄膜の開発
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :吉岡忠彦、堀内功
Username (English) :
所属名(日本語) :KOA株式会社 要素技術開発グループ
Affiliation (English) :

1.概要(Summary )
 機能性薄膜のセンサ特性を向上させるためには、薄膜の磁気的特性を把握することが重要である。本検討では広い温度範囲で薄膜の抵抗温度特性を取得し、磁気転移に伴う電気的な特性変化を確認する事が出来た。

2.実験(Experimental)
 ガラス基板上にスパッタリング法を用いて機能性薄膜を約100nm着膜し、フォトリソグラフィープロセスによりTEGパターンを形成した。なおプローブ位置のずれによる変動を抑えるため、電極部分にはCuを1μm着膜した。
 上記のサンプルの抵抗温度特性を取得するため、ホール効果測定システム(8400ACLR/OW型_東陽テクニカ製)を用い、25℃から500℃まで25℃刻みで抵抗値を取得した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 図1は機能性薄膜の抵抗温度特性である。250℃付近で電気的な特性に変化が起きることが分かった。文献などの調査から、この温度において磁気転移が生じている可能性が高いことが分かった。
 同組成のバルク材料と比べると、薄膜状態の磁気転移温度が高くなっている。これは膜内部に存在する欠陥や不純物、また形状効果に伴うものと考察される。
 今後は元素添加等に伴う磁気転移温度の変化や、それに伴うセンサ特性の変化を調査し、より高いセンサ特性を有する薄膜の開発を進めていく予定である。

図1 機能性薄膜の抵抗温度特性

4.その他・特記事項(Others)
 本件実施に当たって、信州大学ナノテクPF事業の橋本佳男教授および森本信吾氏にご協力頂いた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
 なし

6.関連特許(Patent)
 なし

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