利用報告書
課題番号 :S-20-NM-0028
利用形態 :
利用課題名(日本語) :食品成分解析
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :饒聖分, 小柳正徳
Username (English) :
所属名(日本語) :日本ハム(株)中央研究所
Affiliation (English) :
1.概要(Summary )
これまで自社作製抗体のアフィニティー測定は、ELISA法、FACSでの表面抗原解析を使用して測定していましたが、分子間相互作用解析システム機器であるBia core X100 を使用することでより高精度のアフィニティー測定ができる可能性があると考えられました。そこで実際に従来法のデータと比較するため、今回の測定を実施しました。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
表面プラズモン(Bia core X100)
【実験方法】
アフィニティー、カイネティクス測定試験
Series S Sensor Chip CM5(#29104988)チップにリガンド(Mouse Antibody Capture Kit(#BR100838))を固相化しAmine Coupling Kit(#BR100050)で固定化及びブロッキング、アナライト(培養上清と食品アレルゲン)を添加する試験系で測定を実施しました。
(従来はSeries S Sensor Chip Protein G (#29179315)を使用し、培養上清と食品アレルゲンを添加する試験系)
条件検討
・リガンドの固定
センサーチップにリガンド固定量、流速はキットの推奨値よりも若干流速を落とし固定化効率を上昇。
・抗体(培養上清)
培養上清の希釈濃度は、1度目の検討で原液を使用したが、ピークの波長に若干の乱れがあったので精製抗体に変更。
・アナライト(食品アレルゲン)
Bia coreで測定を行う場合、タンパク濃度は通常モル濃度で使用するため、アナライト(食品アレルゲン)の濃度が1mg/mLで分子量が3135であることからモル濃度が314Mと算出し、10mM/mLに調整。
・R max値(最大結合値)
R max値(最大結合値)を算出。リガンド固定化量が5000、抗体の分子量が150kDとアナライトの分子量が3.14kD、抗体の結合部位が2つであることからRmax値(最大結合値)が200RUと算出した。
*Bia coreの実験ではセンサーチップに固定化する分子をリガンド、それに対して結合を測定する分子をアナライトと呼びます。
3.結果と考察(Results and Discussion)
アフィニティー測定及びカイネティクス測定を実施した結果、いくつか使用可能な抗体が見つかった。(Fig.1、2、3、4、5)
Fig.1
Fig.2
Fig.3
Fig.4
Fig.5
4.その他・特記事項(Others)
NIMS:箕輪貴司様、李香蘭様の指導の下、Bia core X100によるアフィニティー、カイネティクス測定試験のトレーニングを受けた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし