利用報告書

高分子ナノブレンド試料の作製
瀧健太郎1)
1) 金沢大学理工研究域自然システム学系

課題番号 :S-16-JI-0033
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :高分子ナノブレンド試料の作製
Program Title (English) :Preparation of ultrathin polymer nanoblend
利用者名(日本語) :瀧健太郎1)
Username (English) :K. Taki1)
所属名(日本語) :1) 金沢大学理工研究域自然システム学系
Affiliation (English) :1) School of Natural system, Kanazawa University

1.概要(Summary )
高分子ブレンドフィルムは様々な用途に利用されており,その性能向上を図るためには高分子ブレンドフィルムの相模様(モルフォロジー)の詳細を知ることが必要である。
今回我々が対象として高分子は,熱可塑性エラストマーと呼ばれる材料で,そのガラス転移点温度は室温以下であり,比較的やわらかい材料の相模様を観察する必要があった。通常,相模様を観察するためには,ウルトラミクロトームを使用して超薄切片を作製し,染色後に,透過型電子顕微鏡で観察するが,今回は,材料が柔らかいので,材料がガラス化する温度まで冷却可能なクライオウルトラミクロトームによる超薄切片化を試みた。

2.実験(Experimental)
バルクの試料をトリミングナイフで小片にし,クライオウルトラミクロトーム(ライカ製)に設置した。また,ガラスナイフも設置した。液体窒素を導入し,試料がマイナス100℃以下になるまでしばらく放置した。試料とガラスナイフの温度が十分に低下したら,ガラスナイフを所定の速度で動かして,試料を荒削りした。この時点で数ミクロンの切片が得られた。次に,ガラスナイフをクライオミクロトーム用のダイヤモンドナイフに変更し,50 nmの切片が得られるように,徐々に切片厚さの設定値を変更した。ダイヤモンドナイフ上に得られた切片は,まつげピンセットにより取出し,エタノール水溶液に展開し,マイクログリッド上に捕獲した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
以上の操作により常温のミクロトームでは作成することができなかった50 nm以下の超薄切片を作製することができた。

4.その他・特記事項(Others)
なし。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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