利用報告書

高分子形と酸化物形の技術融合による電極一体型次世代PEFCの創製
佐々木一成
九州大学次世代燃料電池産学連携研究センター

課題番号 :S-20-KU-0045
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :高分子形と酸化物形の技術融合による電極一体型次世代PEFCの創製
Program Title (English) :Development of Next-Generation PEFCs
利用者名(日本語) :佐々木一成
Username (English) :Kazunari SASAKI
所属名(日本語) :九州大学次世代燃料電池産学連携研究センター
Affiliation (English) :Next-Generation Fuel Cell Research Center, Kyushu University

1.概要(Summary)
当研究室では、2030年以降にFCVのみならず、幅広く商用利用普及可能な低コスト化・高耐久性を特徴とする燃料電池の創製に目標を掲げている。既存のPt/C触媒以外にオリジナルの電極触媒(Pt/SnO2(Nb)/GCB、Pt/Ti等)、高価な炭素繊維GDLの代替に安価で導電性に優れる金属GDL、多様な材料を用いてMEAを作製し、各種電気化学的評価を行い、耐久性に優れた高性能・高出力セルを開発することを目的とする。

2.実験(Experimental)
アンモニア共沈法等によって酸化物担SnO2(Nb)/GCBを調製した。さらにアセチルアセトナート(acac)法を用いて、調製した担体にPt合金またはPt酸化物ナノコンポジット電極触媒を作製した。自作の触媒を電極のカソードに用いて、アノードに田中貴金属のPt/Cを用いて、スプレー印刷法でnafion膜上に印刷しMEAセル作製を行った。また、アノードのGDLは撥水性を施したカーボンナノファイバー、カソードのGDLは様々な金属多孔質材料を用いた。
作製したMEAをセルホルダーにセッティングして、ナノ炭素燃料電池評価システム装置を用いて、エイジング及びセルの電流電圧評価を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
作製したPt合金触媒の高分解能STEM像をFig.1に示す。Pt合金触媒高分散担持されていることが確認できる。
金属GDLをカソードに用いたセルのI-V性能はFig.2に示す。既存のカーボン材料のGDL使用したセルに比べ低下した。主な原因としてはオーミック過電圧の増加であることが分かった。また、金属GDLの使用でセルの活性化過電圧に及ぼす影響が少なく、濃度過電圧への影響は個々のセル測定にバラツキがあることが分かった。

Fig. 1 アンモニア共沈法で作製したPt-Co/Sn(Nb)O2/GCBの高分解能STEM像

  
Fig. 2 各種金属GDLを用いたセルのI-V特性

4.その他・特記事項(Others)
本研究の一部はNEDOの支援を受けて実現した。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
特になし

6.関連特許(Patent)
特になし

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