課題番号 ：S-20-OS-0054
利用形態 ：機器利用
利用課題名（日本語） ：高圧合成法で合成した新規ペロブスカイト型鉄酸化物の組成分析
Program Title (English) ：Compositional analysis of novel perovskite-type iron oxides
synthesized under high-pressure
利用者名（日本語） ：小野瀬雅穂
Username (English) ：M. Onose
所属名（日本語） ：大阪大学大学院基礎工学研究科
Affiliation (English) ：Osaka University

１．概要（Summary ）
異常高原子価状態の Fe4+ イオンを含むペロブスカイト型酸化物は、多彩なトポロジカルらせん磁性相や電荷秩序相を発現する舞台として注目を集めている。申請者はFe4+を含むペロブスカイト型酸化物Ca1-xBaxFeO3において高圧合成法による新物質探索を行い、x = 0.6において、Aサイトイオン（Ca, Ba）と酸素欠損が協調的にオーダーしたトリプルペロブスカイト型構造を持つ新規相の合成に成功した。本研究では、大阪大学ナノテクノロジープラットフォームのSEM-EDXを利用して、この試料に含まれる元素種の定量分析を行った。

２．実験（Experimental）
【利用した主な装置】
S14 走査型電子顕微鏡

【実験方法】
上記装置を用いて、ペロブスカイト型酸化物
Ca1-xBaxFeO3 (x=0.6)の組成分析をおこなった。
詳細は下記する。

３．結果と考察（Results and Discussion）
得られたEDXスペクトルを図1に示す。定量分析結果からAサイトイオン（Ca, Ba）全体に占めるBaの割合を見積もると Ba/(Ba+Ca)= 61 % となり、出発物質から期待されるストイキオメトリー（60 %）からのずれがほとんど生じていないことが確認できた。またマッピング分析から、Ca, Ba 両元素ともに均一に分布していることが確認できた。
　

図1 Ca1-xBaxFeO3 (x = 0.6)のEDXスペクトル

４．その他・特記事項（Others）
装置使用方法に関してご指導頂きました大阪大学分子・物質合成PFの支援員の方に感謝致します。

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
なし。

６．関連特許（Patent）
なし。